1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63571045
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
守時 英喜 徳島大学, 薬学部, 教授 (10035545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 修平 徳島大学, 薬学部, 助手 (80145010)
福沢 健治 徳島大学, 薬学部, 助教授 (90035551)
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Keywords | 加齢 / 血管内皮細胞 / 血管灌流 / 抗血小板凝集活性 / 血管拡張アセチルコリン / ATP / プロスタサイクリン |
Research Abstract |
血管の加齢現象を血管内皮細胞の機能と血小板の相互作用という観点から検討した。 (1)様々な週齢のラットの大動脈の内腔をacetylcholineやATPを含む生理液で灌流し、灌流液を血小板凝集系に添加して、血小板凝集阻止活性を指標に血管内皮細胞の機能の変化を調べた。その結果、20週齢以下の比較的若いラットの血管灌流液には強い血小板凝集阻害活性が認められたが、60-100週齢の老化血管の灌流液にはほとんど活性は認められなくなっていた。 (2)血管内皮を機能的に損傷させておくと灌流液にこの抗血小板活性は認められなくなったので、活性物質には内皮依存的に産生されていることが判明した。AcetylcholineとATPはそれぞれ血管内皮細胞に局在するM2受容体とP2受容体に作用して抗血小板活性を有する物質を産生することが明らかになった。 (3)この活性物質は血管内皮依存性拡張因子(EDRF)でもなく、またEDRFがguanylate cyclaseを活性化した結果産生されるcGMPでもない。Arachidonic acid cascadeに関係した薬物で血管を処理すると灌流液中の抗血小板活性は消失したことからprostacyclinであると推定した。 (4)血小板凝集活性が低下している老化血管ではacetylcholine,ATPやadenosineに対する拡張反応も著しく減弱していた。これは老化が進むにつれて内皮機能が低下してゆくためと考えられるが、血管拡張を司っているcGMP分解が亢進することも原因の一つになっていることが明らかになった。 以上、acetylcholineやATPは血管内皮細胞から血管拡張性物質を遊離させて拡張をひきおこす一方で、血小板凝集阻害物質も遊離させてるがこれらの機能は老化により減弱してゆくことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Moritoki,H.,et al.: British J.Pharmacology. 95. 1015-1022 (1988)
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[Publications] Moritoki,H.et al.: "Possible mechsanisms of age-associated changes in vascular function in:Biosignaling in Cardiac and Vascular Systems," Pergamon Press,
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[Publications] Moritoki,H.,et al.: "Does cGMP mediate adenosine-induced vasodilation? in:Biosignaling in Cardiac and Vascular Systems," Pergamon Press,
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[Publications] Moritoki,H.,et al.: "Induction of possible association of decrease in cGMP-mediated vasodilation with increase in cGMP-phosphodiesterase activity during aging in:Bisignaling in Cardiac and Vascular Sy" Pergamon Press,
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[Publications] Moritoki,H.et al.: "Adenosine-induced vasodilation is mediated by cGMP in:Ihformation Transduction and Processing in Biological Systems" Elsevier,