1988 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠・覚醒調節系および脳-内分泌調節系におけるピペリジンの役割に関する研究
Project/Area Number |
63571048
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮田 健 熊本大学, 薬学部, 教授 (90040310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 助手 (30194658)
高浜 和夫 熊本大学, 薬学部, 助教授 (80150548)
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Keywords | ピペリジン / 睡眠 / 脳内分泌 / マスフラグメントグラフィー / イオントフォレシス / 下垂体ニューロン / Cl^-電流 |
Research Abstract |
内左性脂環状アミン、ピペリジンの脳内での生理的役割、特に睡眠-覚醒調節系および脳-内分泌調節系との関連を検討するために、GC/MS/COMシステムを用いたマスタラグメントグラフィー(MF)法によりピペリジンの脳幹網様体における動態を中脳部、橋部、延顕部に分けて定量的に解析するとともに、下垂体における分泌細胞の単一活動電位の単離とそれに対するピペリジンのイオントフォーレシス投与時の影響および作用機序について追求した。その結果次の成績を得た。 1.脳幹網様体のピペリジン量は逆説睡眠(REM)を奪うと有意に減少し、REM反跳様には有意かつ著明に増加した。この変動は特に中脳から橋三又神経前部にかけて存在する網様体において著明であった。網様体周辺部においては、このようなREMに関連したピペリジン量の変動は認められなかった。 2.in vivoにおける下垂体からの単一細胞活動電位記録法を確立し、この方法をピペリジンの活性評価に応用した。ピペリジンは従来報告した大脳皮質や海島におけるよりも強い作用を示し、その作用には部位特異性があることが明らかになった。特に発火の頻度に関係なく個々の発火の持続時間を延長する例が多くみられた点は興味深い。 3.アプリージアニューロンを用いたconcentration clamp法において、ピペリジンはアセチルコリンによる二相性のCl^-電流に対し、ニコチン様作用によって表れる初期Cl^-電流(transient Cl^- current)にのみ影響を与えること、また、ニコチニック受容体-Cl^-チャンネル複合体のうち少なくとも2つの構成分に対し選択的な作用をもつことが分った。 これらの知見は国際睡眠物質シンポジウムで招待講演として、また、論文、総説として発表した。
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[Publications] T.Miyata.;N.Matsumoto.;K.Takahama.;Y.Okano.;H.Kai.: Arch.int Pharmacodyn.296. 202-209 (1988)
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[Publications] H.Kai.;M.Saito.;Y.Oda.;Y.Okano.;K.Takahama.;T.Miyata.: Japan.J.Pharmacol.49. 375-380 (1989)
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[Publications] Y.Okano.;K.Takahama.;T.Miyata.: Endogenoas sleep factors.
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[Publications] K.Takahama.;M.R.Klee.: Brit.J.Pharmacol.
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[Publications] K.Takahama.;T.Miyata.;M.R.Klee.: Brain Research.
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[Publications] K.Takahama.;T.Miyata.;M.R.Klee.: Brain Research.
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[Publications] T.Miyata.;K.Takahama.;T.Irie.;K.Uekama.: "Phenothiazines and 1,4-Benzothiazines" Elsevier, 992 (1988)
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[Publications] T.Miyata.;T.Ishii.;H.Kai.;K.Takahama.: "Glycoconjugates in Medicine" Professional Postgraduate Serrices, 358 (1988)