1988 Fiscal Year Annual Research Report
発癌剤の解毒に関与する霊長類ジヒドロジオール脱水素酵素の多様性と生理的役割
Project/Area Number |
63571049
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
沢田 英夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90075945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 誠 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30188908)
原 明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00094334)
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Keywords | ジヒドロジオール脱水素酵素 / インダノール脱水素酵素 / ヒドロキシステロイド脱水素酵素 / アルデヒド還元酵素 / 酵素多形 / 臓器分布 / 組織化学 |
Research Abstract |
1.サル肝臓から4種のジヒドロジオール脱水素酵素を単離した。このうち、主酵素である塩基性の酵素は芳香族炭化水素のジヒドロジオール体より強く脂環式アルコール類を酸化することから、インダノール脱水素酵素と考えられた。本酵素のアミノ酸組成、反応機構およびNADPHの水素転移の立体特異性を明らかにし、特異阻害剤である金属キレート試薬の阻害機構は本酵素中の金属との結合によるものでなく、芳香環を有するキレート試薬による非特異的結合によることが判明した。その他の3種の酵素は、主酵素とほぼ同じ性状であるが等電点で異なる1種、アルデヒド還元酵素、ならびに3αーヒドロキシステロイド脱水素酵素であることを明らかにできた。 2.サル腎臓から、肝臓の酵素と異なる特異的にジヒドロジオール体だけを酸化する今までに報告のない2量体酵素単離した。現在、生理的なカルボニル化合物に対する反応性を検討している。また、反応機構においても肝臓の酵素と異なり、本酵素はジヒドロキシベンゼン誘導体により特異的に阻害されることが明らかになった。 3.サルの各組織の本酵素活性を測定し、腎臓が最も高い活性を示し、次いで肝臓であり、他の組織には極めて低い活性しか認められなかった。この腎臓の高い活性は2量体酵素の存在によるもであり、またこの腎臓の酵素抗体を作製し、腎臓の酵素は免疫化学的に肝臓の酵素と異なり、かつ腎臓に特異な酵素で他の組織には認められないこと、ならびに腎臓の皮質細胞に分布していることが判明した。
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[Publications] 毛利光志: 生化学. 60. 640 (1988)
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[Publications] 中川誠: 生化学. 60. 640 (1988)
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[Publications] 原明: J.Biochem.
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[Publications] 中川誠: Chemcal & Pharmacutical Bulletin.