1989 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞内に見出された新しいCa^<2+>結合蛋白質レギュカルチン(regyucalcin)の細胞機能調節に関する研究
Project/Area Number |
63571053
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
山口 正義 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (70046308)
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Keywords | レギュカルチン / カウシウム結合蛋白質 / 肝細胞機能 / カルシウム依存性酵素 / 蛋白質リン酸化酵素 / カルシウム輸送 |
Research Abstract |
1.肝細胞内構造物(細胞膜他)を分離し、^<125>I-レギュカルチン(RC)の結合性を調べ、肝細胞膜Ca^<2+>-Mg^<2+>-ATPase(Ca^<2+>ポンプとして作動)を活性化し、その活性化の機序としてレギュカルチン酵素蛋白質を直接活性化することを見出し、肝細胞膜Ca^<2+>送系において調節的役割を果たすことを明らかにした。2.肝細胞のミクロゾ-ムの機能調節におけるレギュカルチンの作用を調べたところ、Ca^<2+>によるグルコ-ス-6-ホスファタ-ゼ(糖新生の律速酵素)の活性化を抑制すること、またCa^<2+>-ATPase(細胞質中Ca^<2+>を取り込む)を活性化することを見出し、レギュカルチンのミクロゾ-ム機能調節を明らかにした。3.レギュカルチンは肝細胞内ミクロゾ-ム膜に結合し、ミクロゾ-ムに取り込まれたCa^<2+>の放出を刺激することを明らかにした。この結果は、本蛋白質の肝細胞内Ca^<2+>ホメオスタシスの調節における役割を示唆した。4.レギュカルチンそれ自体は蛋白質リン酸化酵素としての機能を有していないが、プロテインキナ-ゼCのCa^<2+>によるその活性化を抑制的に調節していることを見出した。この結果は、レギュカルチンが肝細胞内の情報伝達においてその抑制的制御に関与しているとの重要な知見と考えられた。5.更に、レギュカルチンはキャルモデュソンによる蛋白質リン酸化反応をも抑制することが見出され、これはレギュカルチンがCa^<2+>を結合することにより調節していることを明らかにした。以上の知見より、肝細胞内に見出された新しいCa^<2+>結合蛋白質レギュカルチンは、肝細胞内のCa^<2+>の動態を調節するとともに、Ca^<2+>による酵素の調節を抑制的に制御し、Ca^<2+>による細胞機能調節を制御している蛋白質であるとの概念が創り出された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masayoshi Ymaguchi: "Calcium-binding protein regucalcin is an activator of(Ca-Mg)-adenosine triphosphatase in the plasma membranes of rat liver" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 36. 3532-3539 (1988)
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[Publications] Masayoshi Ymaguchi: "Effects of Ca^<2+> and V^<5+> on glucose-6-phosphatase activity in rat liver microsomes: The Ca^<2+> effect is reversed by regucalcin" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 37. 388-390 (1989)
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[Publications] Masayoshi Ymaguchi: "Activation of hepatic microsomal Ca^<2+>-adenosine triphosphatase by calcium-binding protein regucalcin" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 37. 1031-1034 (1989)
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[Publications] Masayoshi Ymaguchi: "Effct of the calcium-binding protein regucalcin on the Ca^<2+> transport system in rat liver microsomes: The protein stimulates Ca^<2+> release" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. 37. 3037-3041 (1989)
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[Publications] Masayoshi Ymaguchi: "Inhibitory effect of calcium-binding protein regucalcin onprotein kinace C activity in rat liver cytosol" Biochemical Medicine and Metabolic Biology. (1990)
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[Publications] Masayoshi Ymaguchi: "Hepatic calcium-binding protein regucalcin decreases Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase activity in rat liver cytosol" Chemical and Pharmaceutical Bulletin. (1990)