1988 Fiscal Year Annual Research Report
培養巨核球細胞に於けるチロシン・リン酸化蛋白の発現と、その情報伝達的意義について
Project/Area Number |
63571059
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小林 凡郎 北里大学, 薬学部・生理化学, 教授 (90050319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 詔子 北里大学, 薬学部・生理化学, 助手 (10050585)
渡辺 泰子 北里大学, 薬学部・生理化学, 助教授 (80050409)
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Keywords | 骨髄球細胞 / 血小板 / チロシン残基リン酸化酵素 / Tubulin / PMA / 48K蛋白 / GpIIa・IIIb糖蛋白 |
Research Abstract |
マウス骨髄細胞をPoke Weed Mitogen刺激脾細胞培養上清添加液体培地により培養し、巨核球の分化、増殖及び成熟に対する各種薬物の作用を検討した結果、トロンビンやホルボールミリステートアセテート(PMA)は無効であったが、インスリン、PDGF、トランスフェリン等は増殖を、またGanglioside GDlaは成熟を促進することが明らかとなった。Staurosporine(STS)により増殖は強く阻害されたが、成熟に対する阻害は比較的弱く、蛋くリン酸化機構が分化成熟に伴って変化することが示唆された。他方、骨髄巨核球を母細胞とする血小板をPMAで刺激すると、刺激の極めて早期から48K蛋白がチロシンキナーゼ(TPK)の標的となることは、先に報告した。このPMAの刺激の前後にSTS処理をすると、何れの場合にもPMA単独刺激による血小板形態変化、血小板凝集をμgオーダーで阻害した。48K蛋白のリン酸化も抑制されたが、僅かに残存するリン酸化蛋白の存在を認めた。STSは、CーKinaseの特異的な阻害剤であるがSTSでは抑制されないリン酸化を認めており、この時全血小板中の32pーtyrosine含量は、増大していた。STS前処理PMA刺激血小板は、円盤状形態を保持することから血小板のmarginal bundles of microtubulesを単離し、金コロイド法による免疫電顕及び電気泳動法で正常血小板のそれと比較したところ、正常血小板より強固なmarginal bundlesの形成を認め、SDS処理では解離しないTubulin dimerと低分子MAPより形成されていることが判明した。以上のことは、微小管形成とチロシン残基リン酸化の相関を示唆した。 想定したTPKのもう一つの標的・GpIIb・IIIa糖蛋白は、Wheat Germ AgglufininやCouAを用いたLectin-Abidin-Biotin-Peroxidase法によりマンノースリッチであることが明らかになった。現在GpIIb・IIIa糖蛋白の各単クローン抗体を用いて、血小板、骨髄細胞共通のエピトープが認識されるか、又、リン酸化チロシン抗体と交叉するかの検討を続行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuko Watanabe: Cell.Struc.Func.13. 293-300 (1988)
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[Publications] Noriko Ishihara: Life Sciences. (1989)
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[Publications] Noriko Ishihara: Life Sciences. (1989)