1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63571071
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF HYGIENIC SCIENCES |
Principal Investigator |
寺尾 允男 国立衛生試験所, 機能生化学部, 部長 (60012605)
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Keywords | オピオイド / モルヒネ / オピオイド受容体 / ミュ-受容体 / アフィニティラベル |
Research Abstract |
モルヒネ等のオピオイド受容体の簡易同定法を開発する目的で,紫外線照射によるオピオイドと受容体の架橋法について検討した。 ^3Hーモルヒネ,^3ーDPDPEまたは^<125>Iーβーエンドルフィンをマウス脳から調製したP_2膜上の受容体と結合させたのち,波長254nmの紫外線を照射した。このように処理したP_2膜をSDSで可溶化後、タンパクをSDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、放射性リガンドと架橋を起したタンパクをオ-トラジオグラフィ-によって検索した結果,^3Hーモルヒネおよび^<125>Iーβーエンドルフィンは主として分子量58kDaのタンパクと架橋していることが判明した。モルヒネはオピエ-ト受容体のうち,ミュ-受容体に対して高い特異性を示すこと,βーエンドルフィンもミュ-受容体と結合すること,およびミュ-受容体のアンタゴニストであるナロキソンによって,この58kDaタンパクとの架橋は完全に阻止されることから,モルヒネまたはβーエンドルフィンとミュ-受容体のP_2膜上での複合体は,紫外線照射によって架橋されるものと結論される。 同様に,デルタ受容体に特異性の高いDPDPEをP_2膜と結合させ紫外線照射したものをSDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動で調べたところ,54kDa附近に分子量を持ったタンパクが架橋されていた。 オピオイド受容体は,ミュ-,デルタ,カッパその他の異なったタイプのものが存在することが,主として薬理学的手段によって示されているが,本研究によって示された,標識リガンドを用いた紫外線照射によるアフィニティラベル法によれば、市販の放射性標識リガンドを用いることによって、これらタイプの異なる受容体の同定が簡単に行えるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kunisuke Nagamatsu: "Morphine enhances the phosphorylation of a 58 kDa protein in mouse brain membranes" Biochemical Journal. 257. 165-171 (1989)
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[Publications] Kunisuke Nagamatsu: "Opiate receptor identification by direct ultraviolet photoaffinity labeling" Journal of Biochemistry.