1989 Fiscal Year Annual Research Report
器官原基移植法を用いた胎児組織の分化に関する研究ならびにその発生毒性学への応用
Project/Area Number |
63571078
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
塩田 浩平 京都大学, 医学部, 助教授 (80109529)
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Keywords | 器官原基 / 移植 / ラット胎児 / ヒト胎児 / ヌ-ドマウス / 発生毒性 / 感受性 / 外挿 |
Research Abstract |
妊娠14日(膣栓日=0日)のウィスタ-系ラット胎児の前肢芽を細切して雌ヌ-ドマウスの皮下へ移植し、移植後7、9、11日目に諸種の化学物質をヌ-ドマウスへ投与した。移植後20日目に移植片を摘出し、その体積を測定すると共に、固定して組織学的検索に供した。各実験群とも溶媒投与対照群の移植片は、ほぼ生体内に準ずる成長と組織分化を示した。5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、ヒドロキシウレア、シクロヘキシミド、マイトマイシンC、カフェイン、アスピリン、ビタミンA、レチノン酸(トランス型)、アスコルビン酸は、移植片の成長と組織分化を種々の程度に阻害した。ヒドロコルチゾン、テトラサイクリン、サリドマイドは、移植片に対して有意の毒性作用を示さなかった。これらの化学物質の移植片に対する毒性用量は、in vivoのラット胎児に対する催奇形用量にほぼ近いものであり、移植された胎児組織が外因に対してin vivoに近い感受性を示すことが明らかになった。 一方、社会経済的適応によって得られたヒト人工流産胎児(9週未満)の各種器官をヌ-ドマウスへ移植したところ、四肢、消化管、肺、腎臓、膵臓、胸腺などが良好な組織分化を示し、ヒト胎児組織を用いる移植実験が可能であることが示された。 ラットとヒトの胎児組織の放射線に対する感受性を比較するため、ラット胎児(妊娠15日)とヒト胎児(妊娠5〜7週)の網膜組織を雄ヌ-ドマウスの精巣内に移植し、移植後7日目に400ラドの放射性コバルトを照射した。照射後、移植片を組織学的に検索したところ、移植ラット胎児網膜組織においてはヒトのそれに比べて、有糸分裂指数の低下が著しく、細胞死の頻度も有意に高かった。すなわち、ヒト胎児の網膜組織は、ラット胎児のそれよりも、放射線に対する感受性が低いことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shiota,K.and Arishima,K.: "Differentiation of the fetal lung tissue of the human and rat grafted into athymic(nude)mice." 解剖学雑誌. 63. 325 (1988)
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[Publications] Shiota,K.,Arishima,K.,Uwabe,C.,Shirai,M.,Yamamoto,M.and Nishimura,H.: "Growth and differentiation of fetal rat limb buds transplanted in athymic(nude)mice." Acta Anatomica. 137. 93-102 (1990)
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[Publications] Shiota,K.,Uwabe,C.,Yamamoto,M.and Arishima,K.: "Susceptibility to cyclophosphamide and thalidomide of fetal rat limb buds grafted in athymic(nude)mice." Toxicology Letters. 50. 309-318 (1990)
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[Publications] Shiota,K.,Uwabe,C.,Yamamoto,M.and Arishima,K.: "Teratogenic drugs inhibit the differentiation of fetal rat limb buds grafted in athymic(nude)mice." Reproductive Toxicology. (1990)