1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63571101
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
林 正弘 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (20012669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 利治 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (90120154)
粟津 荘司 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60012621)
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Keywords | 空腸 / 結腸 / 吸収促進剤 / 細胞間ル-ト / Tight junction / インピ-ダンス解析 / アクチン-ミオシンリング / 腸管血菅同時潅流法 |
Research Abstract |
吸収促進剤カプリン酸ナトリウム(C10)の細胞間ル-ト透過性増大作用は結腸のみに見いだされ,空腸では変化が観際されていない。その部位特異性を知るために,インピ-ダンス解析を行い,細胞間のTight junction部分の電気低抗(Rj)及び膜キャパシタンス(CM)を求めた。その結果,結腸のRjはC10により約7倍減少し,CMは約2倍増大した。このRjの低下は細胞間の入口の拡大を示すと共に,細胞間の(ポア-有効面積)/(拡散距離)の増大を支持する結果であった。CMの増大は電顕写真で観察された側細胞間隙の拡大を反映していた。空腸のRjは,結腸よりはるかに低いことから,C10の作用はRjがある程度以上大であることの必要性が示唆された。また,本研究では,in situ結腸ル-プ法でC10を作用させた後にC10を除去し洗浄した場合,インピ-ダンス解析の結果からRj,CMがコントロ-ル値へ回復しており,C10作用が可逆的であることがわかった,結腸細胞間のTight junctionがC10により拡大する機構を検討するために,アクチン-ミオシンリングへ作用するサイトカラシンD(CD)と比較したところ,C10にもCDと同様のCharge selectivityの減少及びサイトスケルトン阻害物質2,4ージニトロフェノ-ルやW7により,C10作用の減弱が観察され,C10はTight junction周辺のアクチン-ミオシンリングの収縮に作用し,膜をleakyに変化させている可能性が示された。グルコ-スやアミノ酸の細胞間ル-トへの作用についても,上記と関連した機構が考えられている。腸管血菅同時潅流法における血菅壁透過性へのアルブミン作用を検討するためのexsorption実験において,吸収時より大のクリアランスが見いだされ,serosal 側の膜を介してのleakが観察された。この現象の意味は現在のところ不明である。Indicator diffusion法及びアルブミン以外のタンパクの作用については現在実験計画中である。以上,本年は細胞間ル-トの変化を中心に検討したため,細胞内ル-トの変化の部位差や同時潅流法におけるアルブミン等の作用の検討は,今後の課題として残された。
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Research Products
(1 results)