1989 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会における地域総合ケア・システムの構築に関する実践的研究
Project/Area Number |
63571103
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 勝 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80024313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 忠晃 愛知県救急医療情報センター, 所長
仁科 健 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60115681)
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Keywords | 地域ケア / 在宅ケア / 寝たきり老人 / 高齢化社会 / 支援情報システム / システム設計 / 地域医療システム |
Research Abstract |
前年度からの継続課題として、本年度の最終年度においては、前年度実施した予備調査の結果等をふまえて、市民生部、市医師会等の地域ケア・システム関連組織からの協力・支援体制が比較的整備充実していると考えられる2市(名古屋市および豊田市)について、より具体的かつ総合的な地域ケア・システムの実践活動を展開してきた。 これらの実践的研究結果から、前年度において構築した地域ケア・システムの基本構想並びに基本設計の「有用性」、「現実性」および「実施の際の諸問題」等に関する詳細な評価・分析が可能となった。 とくに、政令指定都市の名古屋市においては、在宅寝たきり老人等の居住環境整備、支援マンパワ-(市民ボランティア、ホ-ム・ヘルパ-、保健婦、等)の確保・質的向上および関連情報の確保(蓄積と提供)とプライバシ-保護のための諸対策が、地域ケア・システムの実現における不可欠な条件および課題として挙げられた。また一方、農村・工業混在型の地域特性を有する豊田市においては、とくに、寝たきり老人をかかえる家族の理解並びに行政当局(市民部)等からの地域ぐるみの協力・支援体制づくりが、地域ケア・システム構築における最重点課題であることが明確にされた。 これらの詳細な考察結果の一部は、平成元年6月に開催された日本プライマリ・ケア学会において発表した。 また、これまでの研究成果等をまとめて、著書「新しい保健・医療・福祉システムの考え方・進め方」を出版した。 なお、今後の研究計画として、地域特性の異なる他地域への展開を試みるとともに、地域総合ケア・システム構築の2大柱である「人材確保・育成」並びに「支援情報システムの拡大発展」に関して本研究を継続していく予定である。
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[Publications] 平吹禎佑: "豊田市在宅ねたきり老人等介護支援事業" プライマリ・ケア学会誌. 12suppl.(1989)
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[Publications] 山本勝: "地域医療システムにおける医療情報システムの推進と課題" 日本医療情報学会誌. 9. 445-454 (1989)
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[Publications] 山本勝: "新しい保健・医療・福祉システムの考え方・進め方" (株)医療情報電送センタ-出版事業部, 334 (1989)