1988 Fiscal Year Annual Research Report
動物実験施設におけるPneumocystis cariniiの汚染調査
Project/Area Number |
63580038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芹川 忠夫 京都大学, 医学部, 助教授 (30025655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 淳三 京都大学, 医学部, 教授 (90025651)
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Keywords | Pneumocystis carinii / ヌードマウス / 動物実験施設 / 調査 |
Research Abstract |
1. 昭和62年6月、京都大学医学部附属動物実験施設のヌードマウス飼育実験領域に肺炎を伴う衰弱死を主徴とするPneumocystis carinii(以下P・C)の汚染例があった。感染ヌードマウスの一部をアイソレータ内に隔離した後、逐次非感染ヌードマウスをこのアイソレータに導入することによって、P・Cを継代した。P・C感染マウスを用いて、寄生虫学的及び病理学的検査法(肺スタンプ法、集シスト法及び組織形態学的検査法)を比較検討した。加えて、P・Cに対するポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を作製するための免疫用及びアッセイ用抗原として、P・C感染肺を集め、-80℃に凍結保存した。精製したP・Cをウサギに免疫してポリクローナル抗体を作製した。 2. 全国の国立及び私立大学の共同利用動物実験施設46機関のP・C汚染状況の調査を開始した。調査対象はSPFマウスの実験飼育室及びヌードマウス用の実験飼育室に限定した。P・C汚染のないことを確認したコロニー由来のヌードマウスを1単位6匹として、計462匹を各機関に分配した。各々の飼育マニュアルに従って6ケ月飼育して頂いた後、これらの動物を回収して、寄生虫学的及び病理組織学的検査を行ない、P・C感染の有無を調べた。平成元年2月末日までに、24施設247匹の検査を終えた。その結果8施設(33.3%)56匹(22.7%)にP・Cの感染が認められた。 3. すべての検査は平成元年4月末日までに終了する。検査結果がまとまった後に、各機関における飼育管理マニュアル等についてアンケート調査を行なう。さらに、検出したP・Cの由来を検討するため、あるいはP・C間に抗原性の変異がないかどうかを各種のP・Cモノクローナル抗体を用いて検索する。これらの調査研究結果をもとにP・C感染防御を目的としたヌードマウス等の免疫機能不全動物の飼育管理マニュアルを考察する。
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