1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580043
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石澤 伸夫 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (90151365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 修 東京工業大学, 工学部, 技官(教務職員) (20108195)
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Keywords | ジルコニア / 部分安定化 / 微構造 / 超塑性 / 正方晶双晶構造固溶体単結晶 / ビッカース圧子 / 微細組織 |
Research Abstract |
アークイメージフローティングゾーン法をもちいて、イットリア-ジルコニア系固溶体単結晶を融液から育成した。得られた結晶は直径4mm、長さ80mmで、部分安定化ジルコニアと呼ばれるイットリア濃度5.3mol%以下の結晶は乳白色を呈し、完全安定化ジルコニアと呼ばれる同濃度以上の結晶は無色透明であった。粉末X線分析を行ったところ、前者は正方晶相と立方晶相の二相が共存しており、後者は立方晶相の単相であった。部分安定化ジルコニアを、立方晶相と正方晶相の二相共存領域である高温(1700℃)で長時間熱処理を行い、分析電子顕微鏡をもちいて微細組織を観察した。その結果、 (1)部分安定化ジルコニアは立方晶相の母相中に正方晶相の粒子が析出した微構造を有する、 (2)正方晶相粒子は樹枝状の形態を有し、熱処理時間の増加とともに、その径が肥大化する、 (3)正方晶相粒子は双晶構造を有し、厚さ50nm程度の板状正方晶相単結晶の板面((110)面)を双晶面として接合して繰り返す、 (4)正方晶相と立方晶相の間では相平衡状態図に従ったイットリウムの分配が起きている。などの新しい知見を得た。さらに部分安定化ジルコニア結晶に一軸圧縮応力を加えて、同時に直接通電法によって熱処理し、微細組織の観察を行った。2200℃の立方晶単相領域では100%以上の圧縮変形がみられたが、1800℃の二相共存領域ではこのように大きな変形がみられなかった。しかし微細組織は大きく変化し、正方晶析出粒子が大きく配向することが確かめられた。また、部分安定化ジルコニア結晶にビッカース圧子を圧入して局所的に大きな応力を印加し、圧痕近傍の異方的な変形機構を走査電子顕微鏡観察の結果から論じた。圧痕周辺に生じる針状組織は単斜晶相で、これは正方晶相の応力誘起変態によって生成したものである。圧子の向きを変化したときの組織変化の様子を、変態機構と正方晶相析出相の形態の関係から明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 佐伯淳: 日本セラミックス協会学術論文誌. 97. 43-48 (1989)
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[Publications] N.Ishizawa: "Advances 24, Science and Technology of ZirconiaIII" J.Amer.Ceram.Soc., (1989)