1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580048
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
渡辺 敏幸 福島大学, 教育学部, 教授 (70005601)
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Keywords | ゴボウ / ヤマゴボウの植物繊維 / 酸性キシラン |
Research Abstract |
1.ゴホウおよびヤマゴボウの炭水化物組成の比較 ゴボウ(G)、ヤマゴボウ(Y)の可食部の脱脂粉末(400mg)に水4mlを加え、100℃で3回抽出し、熱水抽出画分(HWE)を得、その残渣を熱水不溶性画分(HWR)とした。HWEはDEAE-Sephadex A-25のクロマトに共し、素通り画分(HWE-I)とNace溶出画分(HWE-II)に分けた。各画分について全糖量、酸性糖量および構成糖を調べた。また、HWRについては別に、順次各種溶媒で抽出分画し構造推定に供した。G-HWE(収量269.3mg)は約50%の糖を含み、主にフラクトオリゴ糖(68%)とペクチン(26%)からなっていた。Y-HWE(312.3mg)は約48%の糖を含み、主にフラクトオリゴ糖(80%)とペクチン(13%)からなっていた。G-HWR(103.0mg)およびY-HWR (65.0mg)はそれぞれ75%と76%の糖を含み、いずれもウロン酸、ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、マンノース、グルコースとガラクトースからなっいた。またHWRを分画した結果から、両者とも、HWRはラムノガラクツロナン、酸性キシラン、キシログルカン、アラビノガラクタン、セルロースから主に構成されていると推定した。 2.ゴホウから酸性キシランの分離 脱脂したゴボウ粉末の植物繊維(多糖)を熱水、0.5%シュウ酸アンモニウム、4%水酸化カリウム、24%水酸化カリウムで抽出し、各画分の糖組成を調べた。ゴボウを24%水酸化カリウムで抽出し、酢酸で中和して得られた上清画分(HC-IIB-1、1回目抽出)を精製し、精製HC-IIB-をDEAE-Sepadex A-25のクロマトに供し、得られた3つの主なピークのうち、最後に溶出したピーク(HC-IIB-1-C)をメチル分析、部分水解することにより、ゴボウ中に存在するキシランの構造を推定した。ゴボウのキシランは、主鎖はキシロースがβ-(1→4)結合した直鎖状の構造で、側鎖として4-0-メチルグルクロン酸がキシロース12個に1個の割合で結合しているものと考えられる。
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Research Products
(1 results)