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1988 Fiscal Year Annual Research Report

酒種のパン生地発酵特性とその微生物生態学的研究

Research Project

Project/Area Number 63580056
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

河合 弘康  奈良女子大学, 家政学部, 教授 (80026525)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 遠藤 金次  奈良女子大学, 家政学部, 教授 (20031643)
Keywords酒種(さかだね) / 酒種のパン生地発酵特性 / 酒種の微生物相変化 / 酒種の低温貯蔵性
Research Abstract

1.酒種の基本となる一番種を25℃で培養し、その培養過程における微生物の変遷を追跡した。培養初期に約10^9/ml存在した生酸菌および一般細菌は、時間の経過とともに徐々に減少し、これに対応して初め少数であった酵母が増加し始め、3〜4日後には10^8〜10^9/mlに達した。これに対して、あらかじめ乳酸を添加した一番種においては、培養初期における細菌の減少速度が大きく、4〜5日後では細菌はほとんど消失し、ほぼ純粋に酵母のみが存在した。このように、乳酸は一番種の培養において雑菌の繁殖を抑制し、酵母の増殖を促進する効果をもつことを明らかにした。
2.TTC重層法によって一番種中に出現する酵母を調べた結果、培養3〜4日後に最大菌数を示した野性酵母(白色コロニー)は時間の経過とともに減少し、それに代わって発酵力の強いサッカロミセス属酵母(ピンクまたは赤色コロニー)が次第に増加し、培養後期には同酵母が大勢を占めることが明らかとなった。
3.熟成した一番種を飯、麹、水の混合物に加え二番種とし、これを順次掛け継いで三番種、四番種を調整し、それぞれの培養時間と酵母菌数および生地発酵力との相関関係を検討した。その結果、一番種から四番種に掛け継ぐにしたがって酵母菌数は増加し、最大の酵母密度をもつ四番種のパン生地発酵力がもっとも優れていることを明らかにした。
4.酒種の低温での貯蔵性を知るため、4℃で一定期間保持した酒種(四番種)の生地発酵力、酵母菌数の変化を検討した。その結果、貯蔵期間が長くなるにしたがって酵母菌数が減少するものの、生地発酵力は一週間の貯蔵でも最初の70〜80%が保持されており、パン種として低温貯蔵が可能であることを見出した。

URL: 

Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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