1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580066
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
小林 茂雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90137943)
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Keywords | 被服 / 着心地 / 布地 / 皮膚 / 圧迫 / すべり摩擦 / シミュレーター |
Research Abstract |
被服による皮膚面の圧迫及びすべり現象は、着心地に影響する重要な要因の一つである。この場合、着用時には圧迫とすべり摩擦とが同時に作用するが、この同時作用下における皮膚面と被服との関係は未知の現象が多い。 本研究では本年度、圧迫状態における皮膚面と布地のすべり摩擦現象を検討するために、圧迫・摩擦シミュレーター装置を試作し、基礎的検討を試みた。試作した圧迫・摩擦シミュレーター装置は1500gまでの圧迫荷重下で、60mm×60mmの摩擦板に布地を取付けた後、疑似皮膚のセット台を左右にモーターで移動し、摩擦板上の摩擦力をストレインゲージで検出するものである。この場合、人体の皮膚面の形状に近づけるために、疑似皮膚セット板に曲率を与えることができるようにした。また、疑似皮膚面はフォーム材に牛皮面を組合せて用いた。 試作シミュレーターによる基礎的実験により、次のことが明らかになった。 (1)試作シミュレーター装置において疑似皮膚面が平面状の場合にはほぼ問題なくすべり摩擦現象を測定できるが、疑似皮膚セット板に曲率を与える場合には均一なすべり摩擦現象が測定しにくい。このための対策として、摩擦板側に曲率に応じた補正により、摩擦板側と疑似皮膚セット板側とを形状的に整合させる工夫が必要である。 (2)皮膚にも圧縮弾性の異なるものが色々あるために、異なる圧縮弾性のフォーム材を組合せて、すべり摩擦現象を検討していくことが必要である。
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