1990 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の食生活と胃がんの病因ーとくにNーニトロソ化合物との関連性に関する研究
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63580070
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
浜野 美代子 東京家政学院大学, 家政学部, 教授 (90103225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 みどり 東京家政学院大学, 家政学部, 助手
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Keywords | 胃がん / 食習慣 / 食生活 / Nーニトロソジメチル化合物 / アミノ酸 / 阻害効果 / 日本人 / 食事調査 |
Research Abstract |
今年度は昨年に続き、地域のさらに綿密な食習慣をとらえるため食事調査(1日分の摂取食品を記入)を行った。対象者は40才代、50才代の主婦100名であった。食習慣をとらえるためには季節差を考慮し、四季について行うのが望ましいが、今回は5月と9月の2回行った。その結果、季節差がみられたのは野菜で、5月の調査では小松葉、うぐいす菜が多く、9月ではキャベツ、大根、かぼちゃ、2回の調査を通してではきゅうり、トマト、にんじんが多かった。内類では豚肉、ハム、ウィンナ-ソ-セ-ジ、魚類ではあじの干物、しらす干し、小魚の佃煮、他では豆腐、納豆、卵が多かった。季節の野菜では、硝酸塩、亜硝酸塩の含有量が高いものが多く、肉類、魚類では加工品が多く、塩分の含有量が高いものが多かった。今回の対象者の中に、胃がんの家族(3親等内)を保有している者(死亡者も含む)が3名あった。しかし、非保有者との食習慣の比較は保有者の数が少なかったためにできなかった。この3名の対象者と、さらに胃がんの家族を保有する2名について陰膳方式により採取し、食事中のNーニトロソジメチルアミンおよび前駆物質(亜硝酸塩、硝酸塩、総2級アミン)について分析を行った。その結果、亜硝酸は0.48〜1.07mg/100g、硝酸塩は25.1〜2998.8mg/100g、総2級アミンは0.02〜16mg/100g、Nーニトロソジメチルアミンは検出されなかった。また、1日の摂取量としてみると、亜硝酸塩は3.73〜10.64mg/100g(平均7.69mg/100g)硝酸塩は29.7〜3610mg/100g(平均1460.7mg/100g)総2級アミンは0.2〜14.0mg/100g(平均2.9mg)であった。今回は食事の作り手である主婦を対象にとらえることによって、家族の食事傾向もとらえられるのではないかと考えて行った。今後、幅広い年代をとらえるとともに、胃がんの家族保有者の数の確保、食事傾向別など、多方面からの検討が必要である。
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