1990 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進マウス(SAM)による食品抗酸化成分の老化抑制効果に関する研究
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63580072
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
山下 かなへ 椙山女学園大学, 家政学部, 教授 (40080113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00115536)
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Keywords | 老化(SAM)マウス / ゴマ / 過酸化脂質 / カテキン / 抗酸化性 |
Research Abstract |
主に前年度の継続で次の研究を行った。 1) 黒ゴマ20%添加食をSAMーP/1マウスに長期飼育(28週間)したところ黒ゴマ投与群は外観から判定する老化度評点を有意に低下させた。特に皮毛状態を良好に維持した。また生化学的指標となるリポフスチンを低値に保ち、SOD活性を高レベルに維持した。しかし血漿・肝臓の過酸化脂質に有意差は認められなかった。 2) ゴマは高脂肪食品であるから大量投与は高脂肪食となる。高脂肪食の影響を除くために脱脂ゴマを用いてゴマ投与の寿命に及ぼす影響を調べた。脱脂ゴマ10%添加食で5ケ月令のSAMーP/1マウスを飼育したところ脱脂ゴマ群は老化の進む6〜8ケ月令頃の老化度評点を抑制したが寿命は特に延長しなかった。 3) ゴマサラダ油中の新抗酸化物質sesaminolを50%VE欠乏食に添加してSAMーP/1マウスを20週間飼育したところ、セサミノ-ル添加群は老化度評点を明らかに抑制した。またビタミンE欠乏による脂肪肝を部分的に抑制した。 4) 黒ゴマ皮部と白ゴマ皮部をビタミンEフリ-食に添加するとビタミンE欠乏による溶血率、血漿ピルビン酸キナ-ゼ、血漿・肝臓の過酸化脂質を低レベルに保った。その効果は黒ゴマ皮部の方が強力であった。また水で抽出した色素を凍結乾燥して飼料に1%添加したところ、黒ゴマ色素に生体内抗酸化性が認められた。 5) 茶カテキンを50%E欠乏にした飼料に0.1%添加してSAMーP/1マウスを20週間飼育したところ、50%E欠乏による出産回数の低下や老化度評点の上昇を茶カテキンは改善した。またCCl_4投与による肝臓の過酸化脂質の上昇を茶カテキンは部分的に抑制した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 山下 かなへ、川越 由紀、野原 優子、並木 満夫、大沢 俊彦、川岸 舜朗: "老化促進モデルマウス(SAM)を用いたゴマの老化抑制効果について" 日本栄養・食糧学会誌. 43. 445-449 (1990)
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[Publications] 山下 かなへ、野原 優子、熊谷 元美、並木 満夫: "クロロフィルの血漿脂質改善効果" 日本家政学会誌.
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[Publications] 野原 優子、山下 かなへ: "海藻類のコレステロ-ル代謝に及ぼす影響" 椙山女学園大学研究論集. 21. 371-378 (1990)
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[Publications] 野原 優子、山下 かなへ: "老化促進モデルマウスのコレステロ-ル代謝と老化度に及ぼすクロロフィルの影響" 椙山女学園大学研究論集. 22. (1991)
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[Publications] 山下 かなへ、野原 優子、前川 浩美、福田 靖子、並木 満夫: "老化促進モデルマウスの老化に及ぼす黒ゴマの長期投与効果について" 日本農芸化学会 1991年度大会.
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[Publications] 山下 かなへ、野原 優子、勝野 美穂、並木 満夫: "茶カテキンの生体内抗酸化性と老化抑制効果" 第45回日本栄養・食糧学会(平成3年). (1991)
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[Publications] 並木 満夫、小林 貞作: "ゴマの科学" 朝倉書店, 241 (1989)
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[Publications] 日本家政学会編責任編集 江沢 郁子、山下 かなへ: "食生活と栄養" 朝倉書店, 190 (1989)