1988 Fiscal Year Annual Research Report
日本とドイツの産業家・技術者連盟、企業内研究所と工学の成立に関する史的比較研究 勧業連盟、Zeiss社光学技術研究所、および八幡製鉄技術研究所を中心に
Project/Area Number |
63580080
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮下 晋吉 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (30121619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
慈道 裕治 立命館大学, 経営学部, 教授 (80066703)
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Keywords | 産業家・技術者連盟 / 企業内研究所 / 近代工学史 |
Research Abstract |
63年度の本研究のまとめは、以下のとおりである。 1.ドイツの産業家・技術者連盟については、Berlinの勧業連盟を重点的に取り上げ、同連盟機関誌による1870-90年代の人的構成と扱った技術的課題の変遷の分析・検討が進んでいる。 2.ドイツの企業内研究所については、Zeiss社の光学技術研究所を取り上げ、E.AbbeとO.Schottがプロイセン政府に提出した2点の報告書:【〇!1】「光学ガラスの改良のための科学的研究に関する予備的報告」(1882年)および【〇!2】「イェナのE.Abbe教授とO.Schott博士が企てている光学ガラスの改良のための研究とその実際的使用に関する報告」(1884年1月5日付、付属文書を含む)を中心に、アルヒーフ資料、ZSTA Potsdam,同Merseburg所蔵のプロイセン政府文書中の関連諸資料の整理・解析を重点的に進めている。その結果これまで解析が済んだ範囲でも、光学ガラスの諸特性についての議論や国立理工学研究所(PTR)設立論議との直接的関連性など、重要で興味深い知見が得られている。 3.日本に関しては、とくに八幡製鉄技術研究所に関係する化学工学資料の収集が精力的に進められ、また研究分担者のよる生存関係者からのヒヤリングも進んだ。 4.アルヒーフ資料の解析には多大な時間と労力を要するため、上記機関の、とくに当時の固有の技術問題に関する工学史・技術史的検討は当初の予定より若干遅れている。したがって、来年度前半に(専門的知識の提供を受けるなど)それに対する特別の手だてをとる必要がある。 5.設備備品費で購入予定の『ドイツ研究機関総覧』は納入が遅れている。そのため来年度分にまわさざるを得なくなった。 その他の予算執行は順調に進み、2月末で終了した。
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