1989 Fiscal Year Annual Research Report
非活動的児童の抗重力筋の発達とその機能に関する研究
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63580094
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生田 香明 大阪大学, 健康体育部, 教授 (70012507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若吉 浩二 大阪大学, 健康体育部, 助手 (30191729)
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Keywords | 筋電図 / 非活動的児童 / 脊柱起立筋 / 僧帽筋 / 背筋力 / 姿勢制御 |
Research Abstract |
10歳の非活動的児童7名(非活動群)と活動的児童7名(活動群)に300,450、600、750kpm/minの負荷による自転車エルゴメ-タ-運動を行わせた結果、300、450kpm/minの軽い負荷の運動においては両群の5つの筋(僧帽筋、脊柱起立筋、大殿筋、大殿筋、大腿二頭筋、大腿直筋)のmIEMG(単位時間当りの筋電積分値)にほとんど差異が見られなかった。しかし、600kpm/minの負荷が重い運動においては両群間に差異が見られ、非活動群の脊柱起立筋、大殿筋、大腿二頭筋、大腿直筋のmIEMGは活動群のそれに比べてかなり小さい(有意差なし)ことっを示した。一方、非活動群の僧帽筋のmIEMGは活動群のそれに比べてかなり大きいことを示した。そして、全力疾走中においては両群の脊柱起立筋、大殿筋とを示した。そして、全力疾走中においては両群の脊柱起立筋、大殿筋、大腿二頭筋、大腿直筋のmIEMGの差異は増大し、非活動群は活動群に比べて小さい結果を示した。これらの結果は、非活動群は活動群に比べて体幹および下肢の筋の速筋線維の発達が劣なことを示唆している。この結果は、Mean Power Frequencyの分析によって非活動群は活動群に比べて軽い負荷の運動(300、450kpm/min)では高い値を示したのに対して、重い負荷の運動(全力疾走)では反対に低い傾向を示したことから、これらの結果と一致している。更に、全身反応時間の測定において両群の刺激伝導時間には差異が見られないのに、筋収縮時間には有意な差異(P<0.05)が見られ、非活動群は筋収縮時間が長いことからも速筋線維の発達が劣ることを示唆した。背筋力計を全力で引きあげる運動(MVC)およびMVCの25、50、75%のアイソメトリック運動においては、両群の僧帽筋と脊柱起立筋のmIEMGの差異が負荷の増加とともに増大し、非活動群は活動群に比べて小さい値を示し、特に脊柱起立筋のその差異のその差異が大きく、この筋の速筋線維の発達が劣ることを示唆した。
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