1989 Fiscal Year Annual Research Report
運動場面におけるPeak Performanceの心理的要因の検討ーあがりを中心にー
Project/Area Number |
63580096
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
丹羽 劭昭 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70031664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 邦子 奈良女子大学, 文学部, 非常勤講師
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Keywords | 運動場面 / Peak performance / 心理的要因 / 生理心理的状態 / 自律神経系 / 交(副交)感神経興奮現象 |
Research Abstract |
運動場面におけるPeak performanceと関係する心理的要因のうち、本年度は特に次の三つを目的とした。すなわち、(1)スポ-ツ場面における時間的経過に伴う自律神経系興奮状態の変化過程を検討する。(2)脳波のα波(8〜13Hz)の中のα_2波(9〜11Hz)がPeak performanceと密接に関係することを検証する。(3)Peak performance時の皮膚温や心拍数の状態からPeak performance時に交感神経興奮現象を示すいわゆる交感神経興奮型の人とそれ以外の型の人がいることを再度検討することである。以下、それらの結果の概要を内容毎に述べる。 1.スポ-ツ場面における時間的経過に伴う自律神経系興奮状態の変化過程の検討 剣道選手、弓道選手を対象に、試合直前、試合中、試合直後の皮膚温、心拍数の変化とパ-ソナリティ等を検討した結果、競技直前から競技中にかけて減少する皮膚温と関係する性格特性は、従来あがりやすいとされた性格特性であり、また皮膚温の減少率の大きい高変化群は、低変化群と比較して不安傾向が高く、よりあがりやすい性格特性をもっている。さらに競技直前において、交感神経の優位現象と抑制現象の交替が起こっている。その中には交感神経の抑制現象から優位現象に移行している選手とその反対の移行を示す選手が存在すること等がわかった。 2.Peak performanceと密接に関係する優勢脳波の検討 回転板追従動作を用いた実験からは、α_2波(9〜11Hz)がperformance量と密接に関係することが再確認された。 3.performance時のおける自律神経系興奮現象の検討 回転板追従動作を用いた実験から、performance時の交感神経興奮型、副交感神経興奮型、両者の混合した混合型、一定の傾向を示さない不定型の人がそれぞれ存在することが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 丹羽劭昭 他: "競技場面における「あがり」の時間的変化の検討ー自律神経系現象の二つの型を中心にー" スポ-ツ心理学研究. 14ー1. 7-20 (1988)
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[Publications] 丹羽劭昭 他: "「あがり」における自律神経系現象の二つの型と関係するパ-ソナリティの検討" スポ-ツ心理学研究. 14ー1. 83-86 (1988)
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[Publications] 丹羽劭昭 他: "人前で話す場面での「あがり」を規定する要因の検討" スポ-ツ心理学研究. 15ー1. 66-70 (1989)
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[Publications] 丹羽劭昭 他: "ストレスが各不安傾向者の協応的運動パフォ-マンスに与える影響" スポ-ツ心理学研究. 16ー1. 61-65 (1990)
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[Publications] 丹羽劭昭 他: "「あがり」の心理・生理的徴候の2次元モデルの検討" スポ-ツ心理学研究. 16ー1. 5-14 (1990)