1988 Fiscal Year Annual Research Report
早期スポーツ活動が児童の心理的発達に及ぼす影響についての研究
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63580099
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
賀川 昌明 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90116799)
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Keywords | 早期スポーツ活動 / 心理的発達 / ストレス / 生理・心理的指標 / U-K検査 / 前頭部EMG / 脳波 / 小学生 |
Research Abstract |
小学校中学年から高学年の児童を対象にした組織スポーツ活動(以下、早期スポーツ活動とする。)は年々盛んとなり、その登録者数が鰻登りに増加するとともに、活動参加者の年齢もだんだんと低年齢化する傾向にある。こういった早期スポーツ活動は、児童にまたとない身体活動の機会を提供している反面、あまりにも勝利志向が強すぎ、児童の家庭生活や学校生活に歪みをきたしていることが指摘されている。 本研究は、こういった現状に焦点をあて、勝利追求を主目的とした早期スポーツ活動が、児童の心理的発達に対して、どのような影響を及ぼしているのかを明らかにしようとするものである。そして、その第1ステップとして、本年度は調査データに示された結果と、生理・心理的指標によるデータとの対応関係を検討した。 まず、スポーツ活動によって生じるストレスの影響をとらえる方法としての生理・心理的指標の測定法を、先行研究からピックアップした。その結果、フリッカー値、GSR、脳波等の測定項目が浮かびあがってきたが、そのうち、フリッカー値、GSRについては、他の様々な要因の影響による変動が大きく、本研究の目的を達成するための方法としては、あまり適切ではないことが明らかにされた。 そこで新たに「V-K検査」「前頭部EMG」を追加し、先の「脳波」とをあわせて分析したところ、本研究の対象となっている「比較的長期にわたるストレスの影響」をとらえる方法として、これらの測定項目が手がかりとなりそうな感触が得られた。 しかしながら、これらの傾向は、ほんの少しの事例に基づくものであり、まだ充分な検討が加えられていない。したがって、今後の課題として、これらの測定項目の信頼性、妥当性について、さらに綿密な分析を加える必要性が残されている。
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