1989 Fiscal Year Annual Research Report
早期スポ-ツ活動が児童の心理的発達に及ぼす影響についての研究
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63580099
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
賀川 昌明 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90116799)
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Keywords | 早期スポ-ツ活動 / 心理的発達 / ストレス / 生理・心理的指標 / 不安傾向 / 疲労 / 自己概念 / 小学生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小学校中学年から高学年の児童を対象として行われる組織スポ-ツ活動(以下、早期スポ-ツ活動とする。)が、児童の心理的発達にどのような影響を及ぼしているのかについて、負機能の防止という視点から行われたものである。 本年度は、こういった早期スポ-ツ活動に継続的に参加している児童の心理的・生理的変化について、縦断的な測定・調査を行ない、早期スポ-ツ活動の、ストレッサ-としての影響を分析した。 測定・調査対象は、徳島市内K小学校スポ-ツ少年団サッカ-チ-ムに所属する男子児童であり、大会が頻繁に行われるシ-ズン中と、それほどでもないオフ・シ-ズンに分けて、何回かの測定・調査を行なった。 測定・調査項目は以下のとおりである。 1.SD法による自己概念調査、2.児童用不安テスト、3.疲労の自覚症状検査、4.U-Kテストによる作業能率検査、5.前頭部EMG、6.脳波 これらの測定・調査から得られたデ-タを分析した結果、次のような傾向が認められた。 (1) シ-ズン中、大会が近づくにしたがって、児童の不安傾向は強まる。 (2) 同様に、疲労に対する自覚症状も高まり、それらが実際の作業能率の低下、筋緊張の高まりといった徴候へと結びついていることが示唆された。 (3) 周囲からの期待に対して、本人の実力が伴っていない児童においては、特にその傾向が強く、中には自己概念の低下をも示す児童が認められた。 なお、本研究は継続中であり、傾向の一般化までには至っていない。
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