1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580113
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 公綱 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (00134502)
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Keywords | ミートコンドリア / tRNA / 異常暗号 / アミノアシル化 / ハイブリダイゼーション法 / DNAプローブ |
Research Abstract |
動物ミトコンドリア(mt)では一部特殊な遺伝暗号が使われ、その解読に関わるtRNAも特異構造をもつことが、遺伝子の塩基配列解析から明らかにされている。これを実験的には証明するため、mtのtRNAを単離し、翻訳系の構築を目指すことが本研究の目的である。 1.ハイブリタイセーション法によるmt・tRNAの検出---特定のmt.tRNA遺伝子の塩基配列に相補的な15-20<merのDNAプローブを合成し、それによってmt.tRNAをハイブリダイゼーション法で検出するアッセイ法を詳細に検討し、個々のtRTNA最も効率的な領域を特定した。この検出法は一般のtRNAにも適用可能な汎用性があるが、現在までウシ肝臓、心臓、キヒトデやブタ回虫のmt.tRNAの検出に成功した。 2.ウシmt.tRNAの高次構造の検討---ウシ肝臓mt,由来の3種類のtRNA^<phe>,tRNAx[D6Sey(1)AGY]D6,tRNAx[D6Sey(1)uCN]D6の高次構造を検討した。熱融解曲線の測定から、mt.tRNAはどれもL次型三次元構造をもつ一般的なtRNAほど堅い高次構造を持たないこと、RNaseの限定分解から、DルーフをもたないtRNAx[D6Ser(1)AGY]D6とDループ/Tループの会合を持つとみられるtRNA[D6Ser(1)uCN]D6でTループのTNase感受性が異なることが明らかになり、遺伝子の塩基配列からの推定二次構造の妥当性が支持された。 3.ウシmt、tRNAのアミノアシル化反応--ウシ肝臓からPhe、Ser洋のアミノアシル-tRNA合成酵素(ARS)を部分精製し、各tRNAのアミノアシル化活性を調べた。どの場合も一般のtRNAの場合とそれほど変わらず異常構造を持つtRNAも正常にアミノアシル化されることが確認された。mt.ARSは細胞質や他のバクテリア由来のtRNAをもアミノアシル化でき広い基質特異性を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takeyoshi Araki: Nacleic Acids Res.Symp.Ser.20. 93-94 (1988)
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[Publications] Takashi Yokozawa: Nuckic Acids Research.
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[Publications] Yoshinsi kumazawa: J.Biol.Chem.
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[Publications] 渡辺公綱: "分子生物学入門ー遺伝暗号を解く" 共立出版, 145 (1988)