1988 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキンの超高感度酵素免疫測定の開発とその応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
63580125
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
橋田 誠一 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (10156268)
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Keywords | インターロイキン / 酵素免疫測定法 / エンザイムイムノアッセイ |
Research Abstract |
ヒト・インターロイキン(hIL)は、従来バイオアッセイやラジオイムノアッセイにより、測定されてきた。しかし、バイオアッセイにおいては、(1)種々の干渉物質の影響を受けやすく、(2)個々のhILを特異的に分別できず、(3)測定感度が低く、(4)再現性も低いなどの欠点があった。また、競合結合法によるラジオイムノアッセイでは、(1)hILの分解ペプチドなどと識別できないばかりか、(2)測定感度も低く、これら従来の方法では、免疫機構の解析などを行うには不充分であった。そこで、高感度なhILのサンドイッチ酵素免疫測定法の開発を試みたので報告する。 <方法>高感度化の試みとして、(1)抗体Fab'のヒンジ部のチオール基とペルオキシダーゼに導入したマレイミド基を反応させて、酵素標識抗体を作成した。(2)アフィニティー精製により、酵素標識抗体の純度を上げた。(3)非得意F(ab')_2の添加、最適pHの選択などの反応条件を整えた。 <結果>測定感度は、hIL-1α、-1β、-2でそれぞれ、0.1pg(5amol)/tube、0.5pg(30amol)/tube、3pg(200amol)/tubeであった。hIL-1αについては、ほぼ予想通りattomoleレベルの高感度化が達成させたが、hIL-1βとhIL-2に対する感度は充分とはいえなかった。その原因を知るため、それぞれの反応ステップごとに、温度、反応時間、塩濃度、pHなどを検討した。その結果、hILの抗体不溶化固相へのトラップ率が低いことが、高感度化を防げている原因であることが示された。そこで、固相上に不溶化している抗hIL・IgGの純度を上げて、固相上にトラップするhILの効率を上げる必要がある。したがって、抗体の純度を上げるために、抗hIL・IgGをアフィニティー精製する予定である。しかし、この際、アフィニティー精製抗hIL・IgGに微量に混在するhILによって、測定系のバックグラウンドが上昇し、高感度化ができないことが予想されるので、現在する微量のhILをほとんど100%取り除く技術の開発を現在行っている。
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Research Products
(1 results)