1988 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内における組織型トランスグルタミナーゼによる架橋反応産物の同定
Project/Area Number |
63580134
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
川島 誠一 東京都老人総合研究所, 生化学部, 室長 (60008571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 昌美 東京都老人総合研究所, 生化学部, 助手 (00192279)
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Keywords | 架橋 / トランスグルタミナーゼ / イソペプチド |
Research Abstract |
トランスグルタミナーゼ(TG ase)により形成される架橋イソペプチド結合物(γ-グルタミル-Σ-リジン)を検出するために、この架橋物に対する抗体の作成を試みた。まず、モルモット肝臓から組織型TG aseを精製した。この酵素をCa^<2+>存在下でウシ血清アルブミン(BSA)に作用させ、架橋BSAを得た。架橋BSAを完全フロイントアジュバントと共にモルモット皮下に注射し、抗体の精製をELISA法で追跡した。ELISAに供する血清試料はBSAで稀釈して抗BSA抗体を吸収することにより、架橋物に特異的な抗体の生成を測定した。5回の免疫により抗体価はほぼ飽和したので、心臓採血により全血を得た。次に架橋物に特異的な抗体を単離するため、抗原カラムを2種類作成した。即ち、非架橋BSAをセファロースに固定化して、このカラムにより抗BSA抗体を除去した。次に、架橋BSAを固定化したカラムに架橋BSAに特異的な抗体を吸着させ、目的とする抗体を得た。この抗体と反応するタンパク質を同定するため、ラット各種組織の粗抽出液をウェスタンブロットしたところ、分子量約4.2のタンパク質が強く抗体染色された。また、分子量10万以上の複数のタンパク質も反応した。一方、SDSに不溶性な分画も、そのスミアを抗体染色したところ繊維状の物質が抗体と反応した。今後、TG aseにより架橋される可能性のあるタンパク質中にイソペプチド結合の存在を確認するために、この抗体は極めて有用な手段となると考えられる。
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[Publications] S.Kawashima,M.Hayashi,;Y.Saito,;Y.Kasai;K.Imahori.: Biochim.Biophys.Acta. 965. 130-135 (1988)
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[Publications] T.Aoki,;S.Kawashima,;H.Ezaki;S.Matsushita,;K.Kuramoto,;S.Suga,;I.Yamamoto,;T.Iwamoto;M.Yoshimura,;K.Iriyama.: Jikeikai Medical Journal. 35. 127-138 (1988)
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[Publications] M.Nakamura,;K.Imahori.;S.Kawashima.: Comp.Biochem.Physiol.89B. 381-384 (1988)
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[Publications] Y.Saito,;S.Kawashima.: Neuroscei.Lett.89. 102-107 (1988)
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[Publications] M.Nakamura,;M.Inomata,;S.Imajoh,;K.Suzuki,;S.Kawashima.: Biochemistry. 28. 449-455 (1989)
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[Publications] M.Inomata,;Y.Kasai,;M.Nakamura,;S.Kawashima.: J.Biol.Chem. 263. 19783-19787 (1988)