1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580147
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山下 哲 群馬大学, 医学部, 教授 (50025623)
|
Keywords | 遺伝子クローニング / 大腸菌における発現 / コリンキーナゼ / エタノールアミンキナーゼ / ホスファチジルイノシトール合成酵素 / リン脂質合成 / 酵母 |
Research Abstract |
リン脂質は生体膜の構成成分として構造的な役割を果たしているのみならず、外界からの刺激に細胞が応答する過程にも深くかかわっている。したがって増殖、刺激伝達など細胞の機能を根本的に理解するためには、リン脂質の代謝がどのようにして調節されているかを明らかにすることが必要である。我々は分子生物学的アプローチを用いて、リン脂質代謝の遺伝子、酵素の構造と調節を明らかにしようとしているが、本年度得られた成果は次のように要約される。 1.CDPコリン合成経路の初発酵素であるコリンキナーゼの遺伝子CKIのクローニング、構造解析、および大腸菌における発現。 酵母コリンキナーゼ欠損株を用いて、遺伝的相補によりコリンキナーゼ遺伝子をクローニングした。遺伝子には582アミノ酸残基、66.3KDの蛋白質をコードしうる領域が含まれていた。1acZのN末部分にCKI遺伝子のコード域を挿入し融合蛋白として大腸菌で発現させたところコリンキナーゼ活性の他にエタノールアミンキナーゼ活性をも有する酵素が生成した。したがってコリンキナーゼとエタノールアミンキナーゼは同一の遺伝子CKIにコードされていることが結論された。 2.酵母ホスファチジルイノシトール(PI)合成酵素遺伝子PISの大腸菌細胞における発現。 細胞の刺激応答において重要な働きをするPI合成酵素の遺伝子PISをヘテロな系で発現させ細胞への影響を見るために、PI合成酵素を大腸菌内で発現させた。培地にイノシトールを添加すると、イノシトールは細胞内に取り込まれ、全リン脂質の4%にも及ぶかなりの量のPIが大腸菌細胞内に蓄積した。その際、PI+PG、すなわち酸性リン脂質の総和はPI蓄積前のPGの総量と等しく、大腸菌細胞にして既に膜リン脂質の荷電を一定に保つ機構を有することが示された。
|
-
[Publications] J.Nikawa;T.Kodaki;S.Yamashita: Journal of Bacteriology. 170. 4727-4731 (1988)
-
[Publications] K.Hosaka;T.Kodaki;S.Yamashita: Journal of Biological Chemisty. 264. 2053-2059 (1989)
-
[Publications] T.Kodaki;S.Yamashita: European Journal of Biochemistry.
-
[Publications] T.Uchida;S.Yamashita: Journal of Neurochemistry.