1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580181
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Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
三宅 寛 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (00031443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 啓二 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (40169305)
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Keywords | CR-39 / 飛跡検出器 / 中性子線量計 / コンバータ / ラジエータ / レムレスポンス |
Research Abstract |
CR-39飛跡検出器による中性子線量測定の精度及び信頼性向上を目的として、コンバータ及びラジエータとの組合わせによる中性子フルエンスのエネルギー区分測定に関する研究を行った。熱及び熱外中性子領域については、既に窒化ホウ素コンバータ使用による高感度測定が可能となっているので、レムレスポンス化で問題となる速中性子領域を対象として研究を行った。研究方法及び主な成果は次のとおりである。 (1)神戸商船大学設置のタンデムバンデグラーフ加速器を使用して、陽子、α粒子、炭素及び酵素イオンに対する検出器応答特性を測定した。 (2)速中性子による反跳あるいは核反応によってCR-39中で発生するこれらの重荷電粒子の角度微分断面積と、検出器応答特性を用いて、速中性子検出効率を計算するコードを作成した。 (3)大阪大学オクタビアン及び京都大学原子炉実験所ライナックの標準中性子場において照射実験を行い、CR-39による単色速中性子検出効率を測定した。エッチピット計測には画像処理装置を使用した。 (4)実験精度向上のため、段階的に断続エッチングを行って各エッチピットの成長過程を追跡することにより、重荷電粒子の種類、エネルギー、放出角度及び発生位置を求める方法を開発した。この方法により正確に中性子検出効率が求められ、計算コードの信頼性を実証できた。 (5)10MeV以上の中性子に対するレムレスポンス化には、従来の反跳陽子を利用する方法では十分な結果が得られず、重水素化プラスチックをラジエータとして用いるのが効果的であることが計算により確かめられた。重水素化スチレンでの実験結果では十分な効果が得られなかったが、重水素化ポリエチレン等を用いれば改善できる見通しが得られた。 エッチピット成長過程追跡法を用いることにより、0.2〜0.3MeVの範囲では、中性子スペクトル測定が可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小田啓二: 神戸商船大学紀要第二類. 36. 175-182 (1988)
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[Publications] 小田啓二: 放射線. 15. 74-84 (1988)
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[Publications] Keiji ODA.: Nucl.Instr.Methods in Phys.Res.B35. 50-56 (1988)
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[Publications] 小田啓二: 京都大学原子炉実験所第23回学術講演会要旨集. 83-88 (1989)
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[Publications] 小田啓二: 神戸商船大学紀要第二類. 37. (1989)