1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 伸好 京都大学, 教養部, 助教授 (30067631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 章裕 京都大学, 文学部, 助教授 (60093233)
松田 隆典 京都大学, 文学部, 助手 (90199802)
藤井 正 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (20165335)
山田 誠 京都大学, 教養部, 助教授 (70086172)
足利 健亮 京都大学, 教養部, 教授 (90026823)
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Keywords | 地域 / 空間関係 / 空間規模 / 地域構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域変化を空間規模の中で究明することにあった。そこで行った論理研究では、変化の視点を明らかにすることであった。まず変化を景観の変化、空間関係の変化、構造の変化に分けて分析を進めた。景観の変化は、地理学において最も伝統的なものであるが、景観の変化は、明確に質としての変化と規定することは難しい。それは景観が個々の要素の変化としてとらえられ、或る空間規模での全体の景観の変化としてはとらえにくいからである。しかし地理学では全体の変化を問題とする。それには景観を可視的なものとしてとらえるにとどまらず、機能を伴った景観を考えるべきである。それは結局要素間の変化、構造の変化へ移行していく。従って景観の変化は分析の端緒として位置づけられ、ここから分析を開始し、関係の変化、構造の変化へつながっていくという論理構造が明らかになった。次の空間関係の変化としては、具体的には都市・農村関係、大都市と周辺中小都市との関係などが分析された。関係の変化は空間的に拡げていくと無限になり、関係の変化はとくに空間規模を限定する必要にせまられた。空間規模を限定すると、その規模に応じた構造が析出され、構造の変化へと移行していく。構造の変化は、結局限定された空間規模下における関係の変化としてとらえられることとなった。このような論理に基づいて、都市及び農村、更には時間的に近世以降を対象として分析した。その結果、地域の変化は時間変化を軸としつつも、空間規模も限定することによって明確になることが論証され、本研究の目的は達成されたものと考えられる。地域変化の論理が明確になった現在、今後の課題としては次のように考える。即ち、地域変化は大変多様であるので、ただ単に変化を究明するにとどまらず、変化をタイプ分けし、いくつかの地域変化のモデルを作成することであると考える。
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Research Products
(2 results)