1989 Fiscal Year Annual Research Report
都市システムとの対応関係からみた都道府県内計画地域の空間構造
Project/Area Number |
63580189
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森川 洋 広島大学, 文学部, 教授 (70040706)
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Keywords | 地域的都市システム / 日常的都市圏 / 都市勢力圏 / 広域市町村圏 / 二次医療圏 / 中心都市 / 府県内中間行政地域 / 中心機能従業者数 |
Research Abstract |
第1論文 都市のもつ中心機能従業者数と都市間人口移動の分析によって、わが国では府県単位の地域的都市システムが発達していることが判明した。しかも地域的都市システムは藩政時代のテリトリ-関係や国内における地理的位置を反映して、単極型、二極型、分極型に類型化され、東京、大阪、名古屋を中心とした広域支配型の発達により、その周辺府県では従来の地域的都市システムが崩壊して大都市従属型に移行しつつあることが明らかとなった。また、通勤圏をもって都市の日常的都市圏とし、その分布パタ-ンをみると教在型、偏在型、全域分布型、稠密分布型などがあって、都市的サ-ビスを享受できる圏域人口も府県によって著しく差異のあること、さらには、中心都市と圏域人口の人口増加率に密接な関係があることが明らかとなった。 第2論文 郡制廃止後も地域行政組織の複雑化のもとで中間的行政地域が必要とされ、第2次大戦中には地方事務所制が採用された。戦後においては縦割制に移行したところと総合事務所制を採用した府県があり、これらと広域市町村圏・大都市周辺広域行政圏との圏域的関係を考察し、広域市町村圏の特性を考察した。さらに、最近全国各府県で設定された2次医療圏との関係を考察し、2次医療圏の方が中間行政地域に近く、生活圏への配慮が乏しく、西ドイツにおける社会資本施設の整備に比して著しく立ち遅れていることを見出した。 第3論文 地域的都市システムや府県内計画地域の特徴を踏えて、広域市町村圏、2次医療圏が都市勢力圏の実態といかなる関係にあるかを考察した。その結果、両者の対応関係には種々のタイプがあり、六域市町村圏の圏域設定において中心都市とその生活圏、人口規模に関する原則以外の問題が主視されている場合があること、安定した地域的都市システムをもった府県では都市勢力圏との整合度が高いことが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 森川洋: "わが国の地域的都市システム" 人文地理. 42-2. (1990)
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[Publications] 森川洋: "わが国における府県内行政所管区域と計画地域" 経済地理学年報. 35. 295-311 (1989)
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[Publications] 森川洋: "広域市町村圏と地域的都市システムの関係" 地理学評論. (1990)