1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580194
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
砂村 継夫 筑波大学, 地球科学系, 教授 (00011164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松倉 公憲 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (80107341)
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Keywords | 岩屑流 / 浸食 / 岩盤 / 割れ目 / 人工岩石 |
Research Abstract |
昨年度の研究においては、岩屑流として水と砂との混合流を用いて水路実験を行い興味ある結果が得られたが、流水による岩盤浸食そのものに関する知見は全く得られていない。そこで、ここではこの問題に関する基礎的知識を得るため、岩屑を含んでいない流水による岩盤浸食の水路実験を行った。実験は、長さ250cm、幅16cm、深さ16cmの水路部をもつ循環水路を用いて行われた。種々の強度をもつ人工岩石(砂とセメントとを混合させたもの)に流水(平均流速1.8m/s)を作用させて浸食状況を定量的に調べた。人工岩石の一軸圧縮強度は200g/cm^2、300g/cm^2、450g/cm^2、550g/cm^2、1kg/cm^2の5種類のものを用いた。また、この実験においては、現地の岩盤によく見られる割れ目をシミュレ-トした隙間を人工的に入れた。割れ目の幅は0〜5.5cmまで種々に変化させた。割れ目付近における流れの場を把握するために、中立フロ-トとしてポリスティレンビ-ズ(粒径1.2mm)を多数用いた可視化実験も行われた。 次のような実験結果が得られた。割れ目内に水が流入する際、水粒子は下流側エッジに衝突して圧縮力を作用させる。このため、せん断力のみが作用している他の部分より浸食が進行する。割れ目幅が大きいほど浸食は顕著となる。また人工岩石の強度が小さいものほど割れ目の影響が表れやすい。下流側エッジの浸食が或る限界値に達すると水粒子の衝突が生じなくなり、圧縮力はもはや作用しなくなり上流側と下流側両方のエッジに作用する浸食力(せん断力)の差が小さくなり両者間の比高は時間的に一定となる。
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[Publications] Tsuguo Sunamura: "A dynamic approach to wave-base problems" Transactions,Japanese Geomorphological Union. 11. 41-48 (1990)
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[Publications] Tsuguo Sunamura,Yukinori Matsukura: "Bedrock erosion by sediment-laden flows" Transactions,Japanese Geomorphological Union.
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[Publications] 戸田真夏、砂村継夫: "人工岩石を用いた流水による岩盤浸食に関する実験的研究" 地形.