1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580197
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 義隆 広島大学, 総合科学部, 教授 (00007361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中越 信和 広島大学, 総合科学部, 助手 (50188918)
安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 助教授 (50093828)
根平 邦人 広島大学, 総合科学部, 教授 (40034582)
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Keywords | 広島湾 / 海陸風 / 花粉飛散 / 杉花粉海陸風三層構造 / 海陸風到達範囲 / 埋立地効果 / 干潟による陸地付加 |
Research Abstract |
I.広島湾における海陸風の構造と花粉の飛散分布との関係について (1)調査方法:広島湾内の島4ケ所と沿岸に5ケ所、内陸に10ケ所に花粉採集用ガラス瓶を設置し、2〜6週間毎に回収し、顕微鏡で単位面積当りの花粉を数える(1年間)。海陸風の交替状況は大学屋上での実測値のほか気象台と広島県市の大気環境観測局での風のデータを整理。この他、春先の特定日に1時間毎にロータリ式花粉補集器で測定し、同時観測の風向風速との関係をみる調査や海陸風の立体調査(気球使用)も実施。 (2)調査結果:ガラス瓶による花粉採集については、処理に時間を要し、まだ春季1ヵ月分しか整理できてないが、このうちの杉花粉の分布状況から判明したことは、内陸に群生する杉から山谷風循環(山風)に乗って谷(太田川)沿いに流下運搬され、広島市内から沿岸の島にまで運ばれること等がわかった。この際の風の解析により、地上風は山から平野部を流下する距離の長短により花粉の飛散密度が異なることが分かり、海陸風を発生させる一般風場に必ずしも一致しないことも明らかになった。このことを確かめるため、海陸風の立体調査(パイバル観測)も進め、三層構 造を呈することは把握できたが、詳細は今後の調査に期す。 II.海陸風現象に及ぼす埋立てや干潟面積の影響について (1)調査方法:海岸からの距離と海陸風の到達範囲を明らかにする必要性から、今回は瀬戸内の埋立地効果を調べるに先立って、九州の有明海における干潟の発達とこれが海陸風にどう影響するかを、地上風と上層風の実測を含め、県や市や気象台の既存資料より解析を試みた。 (2)調査結果:実測は夏秋各2回実施(パイバル4含め)したが、よい結果は得られなかった。既存資料の解析からは、有明の干潮時刻と海風起時の間には、日の出から12時頃までに干潮となる日は、海風の吹き始めが遅くなるなど、干潟による陸地付加の作用が見出せた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福岡義隆、安田喜憲、南利幸(院生): 「農業気象」日本農業気象学会誌. (1989)
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[Publications] 福岡義隆、龍絵理子(院生): 「地理科学」地理科学会誌. (1989)
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[Publications] 福岡義隆: 日本生気象学会誌. (1989)