1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580208
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
菊池 淑子 東邦大学, 医学部, 講師 (00138124)
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Keywords | 酵母 / ミニ染色体 / 安定保持機構 / 動原体DNA / 温度感受性変異株 / 自律複製能配列 / 遺伝子 |
Research Abstract |
酵母アデニン要求性変異株が、赤色コロニーを形成することを利用してミニ染色体の安定性をコロニーの色で検出する方法が開発されている。ミニ染色体の安定保持に関与する遺伝子について解析を進める為、動原体と多コピープラスミドである2μプラスミドのSTB部位を含むキメラプラスミドのコピー数調節機構を利用して単離した温度感受性変異株について応用した。今年度までに、2種のTS変異株について調べた。 1.gst1変異株について。gstlade2ade3leu2を作成し、ADE3を含むプラスミドPDK243を形質転換法により導入した。26℃、選択培地中でピンク色になり、非許容温度との中間温度、34℃では、中央がピンク、まわりが白いコロニーを形成した。従って、ミニ染色体の安定性に温度依存性が観察された。さらに、ミニ染色体ばかりでなく、多コピー系の2μ型プラスミドも不安定であった。非選択培地上で、34℃、20h培養後、26℃で2日間培養したコロニーは、ピンクと白のセクターを形成した。セクターの色が、赤色を呈しなかったことから、分配機構の異常ではなく、simple lossであると推論された。gstl変異株を高温にすると、蛋白合成に比べ、DNA合成が著しく阻害されることが判っている。extra chromosomalなDNAの方が、染色体よりも、温度の影響を受けやすいと思われる。同様にして、2.ts46変異株について調べた。34℃で白色コロニーを形成したが、その後の実験により、tsが2つの遺伝子に分離した。ts46を相補するDNA断片として単離されたts46-1遺伝子は、CHEF法により分離した染色体のサザン法により、染色体7番にマップした。新しく分離したts46-1とアデニン要求性との二重変異株は、34℃でも、ピンク色のコロニーを形成することから、オリジナルなts46に含まれるもう一つのts遺伝子に、ミニ染色体を不安定にする性質があると考えられる。
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[Publications] Y.Kikuchi.: The EMBO journal. 7. 1175-1182 (1988)
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[Publications] Y.Kikuchi.: Current Genetics. 14. 375-379 (1988)
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[Publications] Y.Kikuchi.: "GSTL:A Homolog of polypeptide chain elongation factor is responsible for the stability of mini-chromosomes in Saccharomyces cerevisiae in Geue Expression and Regulation" Elsevier Science Publishers, 257-264 (1988)