1988 Fiscal Year Annual Research Report
固定化オペロンを用いたRNAポリメラーゼのDNA上運動の解析
Project/Area Number |
63580214
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋本 伸雄 広島大学, 総合科学部, 助手 (20127658)
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Keywords | 固定化オペロン / ビデオチン / アビジン / 転写開始 / RNAの伸長 / 大腸菌RNAポリメラーゼ / σサブユニット |
Research Abstract |
本研究の目的は、大腸菌のシステムに、担体に固定化した鋳型DNA(固定化オペロン)を用いた新しい手法で、転写に伴うRNAポリメラーゼを中心とする転写複合体の、時間的な変化を検出することである。つまり、素早い混合によって転写を同調して開始させ、続いて、転写複合体に結合した蛋白分子と遊離の分子とを、急速ろ過または大過剰希釈によって分離して、複合体の構造を明らかにするというものである。 本年度の成果は、 1.λファージの強いプロモーターPRを持つ1.2kbのλDNAをpBR322にクローンし、EcoRI端をビオチン化してアビジンアクリルアミドに固定して、固定化オペロンを作製した。 2.同期した転写を開始して、2秒から10秒後の1000倍に転写時と同じ緩衝液で大過剰希釈して、低速遠心で遊離の蛋白を除き、転写複合体中のσサブユニットを定量した。σ解離は、大過剰希釈により凍結され、約5秒でσサブユニットが解離する過程が追跡できた。 3.希釈緩衝液中にATPやCTPが存在すると、2秒でもσは解離しており、σ解離は凍結されなかった。つまり、σの解離が凍結されたのは、ヌクレオシド三燐酸が除かれたためであった。ATPの非水解アナログを用いて、ATPのβγ燐酸ジエステル結合がσ解離に必要であることが示された。このことは、σの解離には、転写の開始とヌクレオシド三燐酸のβγ燐酸ジエステル結合の水解が必要であり、RNAの伸長だけでは不十分であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Miki Fujioka,; Nobuo Shimamoto,; Akira Kawahara,; Minoru Amano,; Kazuo Watanabe.: Exp.Cell Res.180. (1989)