1988 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナルコンピュータによるNMRスペクトル解析自習システムの開発
Project/Area Number |
63580229
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
吉村 忠与志 福井工業高等専門学校, 工業化学化, 助教授 (60042991)
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Keywords | 化学ドライラボ / 知的CAIシステム / NMRスペクトル解析 / ファクトデータベース / パソコン学習 |
Research Abstract |
申請者は、パーソナルコンピュータ支援による化学教育システムを「化学ドライラボ」と称して、一般化学、化学実験、機器分析のためのパソコン用ソフトウエアを開発し教育に実践している。本研究は、「化学ドライラボ」ソフトの一連のものであるが、NMRスペクトルのデータベースを基にスペクトル解析学習を進める知的CAIシステムを研究開発を行っている。 有機化合物の同定を目的とするスペクトル解析学習は、化学教育の現場において学際的に学習効果の上げにくい課題である。有機化合物の構造決定を支援するエキスパートシステム(CHEMICS、豊橋技科大)がミニコンピュータのレベルで開発されており、その前段階におけるスペクトル解析のトレーニング学習が必要である。そこで、申請者は、板書では学習しにくい化学スペクトルの解析やデータ処理の基本を身につけるための自習システムを手軽なパソコン上で開発を行っている。このシステムは、プロトンNMRスペクトルの個別学習のためのものであり、つぎの2つの機能を中心に開発している。 【○!1】プロトンNMRスペクトルの解析とシミュレーション 【○!2】NMRスペクトル解析のトレーニング 実測されたNMRスペクトルのデータべーす構築を、フロッピーディスクのメモリー上で行なったので、当該年度のシステムでは20件程度のスペクトルしか格納できず、教育上実用的なものはできなかった。しかし、プロトタイプとしては、ほぼ完成といえるものができた。 この反省のもと、現在は、ハードディスクを用いることにより、200件以上の実測NMRスペクトルのデータベースを構築して、このシステムが、教育上実用に耐えるものを完成させるべく研究開発を継続している。
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[Publications] 吉村忠与志: 日本化学教育学会研究会研究報告. 3(5). 35-40 (1989)
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[Publications] 吉村忠与志: 化学と教育(日本化学会). 35(6). 572-575 (1987)
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[Publications] 吉村忠与志: "パソコンによる機器分析演習" 共立出版, 1-121 (1988)