1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63580243
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Research Institution | National Institute for Educational Research |
Principal Investigator |
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50132692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢寿 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40092473)
猿田 祐嗣 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (70178820)
三宅 征夫 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50000071)
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Keywords | 原子力教材 / 放射能教材 / STS教育 / 許容量概念 / 利害の二面性 / 中等理科教育 / 環境・エネルギ-教育 / 教材開発 |
Research Abstract |
本年度はまず、開発した放射能教材に基づいて昨年度実施した授業研究と事後調査の調査結果について、研究協力者の中学校および高等学校教諭とともに分析、検討した。事後調査の結果では、高等学校よりも中学校において高い回答率が見られ、用語の難しさはあるものの指導の仕方により中学校でも本教材は適用できると思われた。また、利害の二面性という点では、これまでに実施してきた他の教材の調査結果よりも回答率がかなり高く、これについては今回の事後調査項目の呈示が回答しやすい形式だったことによる可能性も指摘された。 これらの点についてより深い検討をするために、計画には入っていなかったが、本教材を受けていない生徒に対する、事後調査に準じた対照群調査を作成、実施することとし、昨年度と同一の中学校1校2クラスと高等学校4校6クラスで実験群と同学年、すなわち、対象となる生徒としては1級下の生徒に対して調査を実施した。 また、昨年度実施した本教材による授業を受けた生徒に対しても追跡調査をするため、クラス替えの影響が比較的少ない高等学校1校2クラスで対照群調査と同一の調査を実施した。さらに、高等学校1校4クラスで長崎への修学旅行に関連させて放射能教材を実施した。これはすでに改訂された教材を用いているが、その際、クラスにより本教材実施の前か後に対照群調査と同一の調査を行い、本教材による影響を調べた。 その結果、対照群調査では中学校の回答率が高等学校より低く、本教材を受けていない中学生にとっては少なくとも利害の両面について記述することは難しいことがわかった。また、高等学校でもその回答率は事後調査の2割程度低い回答率であった。昨年度授業実施の追跡調査および本年度研究授業実施の前後に行った調査から、利害の二面性に関する回答率はいずれも授業を受けた生徒の方が高いのがみられた。
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