1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63601016
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片岡 順 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 浩 京都大学, 防災研究所, 助手 (00093253)
水原 邦夫 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90026401)
橋本 晴行 九州大学, 工学部, 助教授 (70117216)
沢田 豊明 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027258)
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
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Keywords | 土石流発生危険度 / 土石流のハイドログラフ / 土石流による天然ダム形成 / 土石流の合流 / 土石流と地質 / 土石流と谷密度 / 土石流と貯水池 / 土石流と流木 |
Research Abstract |
焼岳南斜面の試験地における観測では、土石流発生と流量との関係について解析し、或る観測地点において、土石流発生率100パーセントのときの流量は1200m^3/hr、50パーセントのときは900m^3/hrという値を得た。さらに季節的危険度の変化を7月以前と以降にわけ、渓床堆積土砂の空障率の変化から解明できるとした。焼岳北斜面においては土名流発生源に近い、渓床堆積土砂の中にセンサーを設置し、雨量と堆積土砂中への浸透速度そして土石流発生の関係について観測した。その結果深さ50cmの堆積土砂中の飽和度が土石流発生と相関が高いことを明らかにした。 実験班は土石流の規模予測に必要な土石流のハイドログラフについて実験を行い理論との対比を行い成果を得た。また土石流が支流から本流へ突入したときの挙動について、渓流の地形条件、土石流の比重などをパラメーターとして分類を行った。土石流が貯水池に流入したときにどのような挙動を示すかについて実験と理論との検討がなされ堆積過程を一部明らかにした。さらに土石流発生には渓床堆積土砂上を流下する水質が重要であるとの観点から、泥流と清水による堆積土砂の土石流化についての実験を行い成果を得た。 資料解析では、全国的な視野で土石流危険地と地質との関連を求め、花崗岩、火山噴出物地帯が危険度が高いことを明らかにし、花崗岩地帯の土石流災害について、さらに谷密度の発達過程から、山崩れが土石流化をし、災害を大きくする危険地の判定への示唆を与えた。また熊本県、広島県の土石流災害を例にとり、土石流の中に含まれる流木量が土石流の規模と関係するという新しい知見を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 高橋保: 京都大学防災研究所年報. 31号Bー2. (1988)
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[Publications] 高橋保: 京都大学防災研究所年報. 31号Bー2. (1988)
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[Publications] 沢田豊明: 京都大学防災研究所年報. 31号Bー2.
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[Publications] 諏訪浩: 京都大学防災研究所年報. 31Bー1. (1988)
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[Publications] 諏訪浩: Trans.Japanese Geomorpholonical union. 9(3). 151-178 (1988)
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[Publications] 片岡順: 新砂防.