AR法と数値モデルによる異常出水の発生予知と防災工による出水軽減の効果の研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63601509
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 日野 幹雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016323)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 福西 祐 東京工業大学, 工学部, 助手 (60189967)
• Keywords: 不飽和浸透 / 一般座標系数値モデル / 洪水流出オンライン予測 / 人工知能 / Fuzzy推論 / フィルター分離AR法

Research Abstract

a)洪水の数値予測および防災工効果
土壌中に浸透した降雨の移動を表すRichardsの不飽和浸透方程式および降雨中の溶解物質(酸性雨)の移動を表すFick型の拡散方程式を、一般座標系(boundary fitted grid)の導入により解く2次元および3次元数値計算スキームを完成した。
これにより、任意の複雑な地形での降雨-流出過程や防災工の効果をシミュレートすることが可能となった。また、洪水流出の細部機構、人口的流出の変更の影響を予知することが可能となった。
b)AIによる洪水予測とダム貯水池管理
AI(人工知能)システムはもともと論理的に推論を行い結論を導くようにできているので、不確定要素が多く入り込む現地での洪水予測とそれに基づくダム貯水池の管理には適さない。どこでFuzzy理論を応用したFuzzy推論によるエキスパートシステムを作成した。現場データへの適用によりこのシステムが流出予測をかなり的確に行う能力を有していることを示した。
c)フィルター分離AR法による洪水のオンライン予測法の現地適用
表記の洪水予測法は、非線型現象である洪水流出を2〜3の成分に数値フィルターで分離し、それぞれの流出成分をAR式で予測するもので、現在までの流量時系列から有効降雨時系列も逆推定しうる方法である。今回新たに、相模川、奈半利川にこの方法を適用し、オンライン予測を行った。

Research Products

• [Publications] Hino,M.;Odaka,Y.;Nadaoka,K.;Sato,A.: Journal of Hydrology. (1988)
• [Publications] Watanabe,A.;Hino,M.: Water Resources and Hydrology. (1988)
• [Publications] 日向博文,日野幹雄,福西祐: 第33回水理講演会論文集. (1989)
• [Publications] 木内豪,野上啓一郎,日野幹雄: 第33回水理講演会論文集. (1989)
• [Publications] 長谷部正彦,高山博行,星清,日野幹雄: 第33回水理講演会論文集. (1989)
• [Publications] 日野幹雄,太田猛彦,砂田憲吾,渡辺邦夫: "洪水の数値予測--その第一歩" 森北出版, 300 (1989)