1988 Fiscal Year Annual Research Report
超過洪水に対する中小河川改修工事の減災刀評価に関する研究
Project/Area Number |
63601523
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 裕一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90027285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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Keywords | 超過洪水 / 中小河川 / 洪水災害 / 河道災害 / 減災力 / 河道改修 / 河川改修 / 減災力評価 |
Research Abstract |
昭和40年代以降の洪水災害事例について、災害統計、専門誌などを検討したが、都道府県単位で纏められた資料が大半であるために、個々の中小河川の被災特性は明確にできなかったが、被災頻度の高い最近の例として、淡路島西南部、島根県西部のあることが判った。とくに、島根県西部の中小河川では、改修の前後の昭和58〜63年に相次いで被災していたので、綿密な現地調査を実施し、超過洪水による河道災害の実態と特徴を見出した。すなわち、改修河道の被災要因として平面線形と護岸構造に着目し、弯曲部の河道測量を実施して、洗掘に対する根固め工の効果、護岸被災に対する余裕高法覆土の効果、内岸部堆積の予測式の適用性を明らかにするとともに、護岸の被災形態、その構造との関係を整理した。その結果、超過洪水時の護岸被災の最も単純で基礎的な形態として、直線河道を溢れながら流下する洪水のもたらす被災を実例を挙げてて説明し、水理基礎実験を実施して、護岸法勾配と河道流速によって被災形態が変化し、現実のものと類似の状況が現れることを確認した。その過程の観察と力学的考察に基づいて、護岸の超過洪水に対する減災効果を検討するとともに、河道災害の軽減について提言した。 また、今回の被災状況を未改修時の58年災害と比較して、河道周辺の土砂堆積と田面の侵食がかなり軽減されていることを示し、計画規模を越えた洪水に対して河川改修が効果を発揮したことを明確にした。しかしながら、護岸など治水構造物自体は打撃を受けており、同程度以下の出水が引続いた場合でも未改修時と同様の災害を生じる可能性が高く、それまでの治水投資がストックとして蓄積されないことを指摘して、護岸構造の設計、施工の現状に関する二、三の問題とその対策について論じた。
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Research Products
(2 results)