1988 Fiscal Year Annual Research Report
人間-環境系研究のための新計測手法の開発と利用に関する研究
Project/Area Number |
63602019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二瓶 好正 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫本 隆 摂南大学, 薬学部, 教授 (50158838)
飯田 芳男 成蹊大学, 工学部, 教授 (10054264)
原口 紘庶 名古屋大学, 工学部, 教授 (70114618)
中馬 一郎 大阪大学, 医学部, 名誉教授 (10028269)
増子 昇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30010747)
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Keywords | ICP発光分析 / 重金属 / 分析電子顕微鏡 / 生物試料 / ガスクロマトグラフ質量分析法 / GC-MS / サブミクロン二次イオン質量分析法 / SIMS / 環境化学計測 |
Research Abstract |
人間-環境系に関する研究は極めて広範囲であるが、実験化学的手法を必要とする研究課題においては、あらゆる環境物質に関する詳細・徴密な情報の取得が必要不可欠である。本研究班は、上記のような各種環境物質情報を得るために、(1)誘導結合プラズマ(IPC)発光分析法、(2)分析電子顕微鏡(AEM)、(3)ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)、(4)サブミクロン二次イオン質量分析法(SIMS)など、4種類の新しい計測法を開発、整備するとともに、これらの装置を十分な管理下に置いて広く環境化学研究者の利用に供し、それぞれの研究の発展に寄与することを目的としている。 (I)高分解能ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)については機器の整備を完了し、人体脂ならびにムラサキイガイなどに含まれるダイオキシン関連物質の分析法を確立し測定した。(II)誘導結合プラズマ(ICP) 発光分析法による海中中重金属多元素同時定量法を確立し、さらに海水中重金属の溶存状態の解明をめざした検討を行なった。(III)分析電子顕微鏡(AEM)を用いて生物試料中の重金属の細胞内沈着状態の共同利用体制は十分に整っている。(IV)ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)の新しい手法として、放電-化学イオン化法ならびに負イオン-化学イオン化法の検討を行なった。前者の方法により、大気中のハロカーボン、ベンゼン、トルエンなどの定量を行ない、大気環境中で1ppb程度の限出下限まで測定可能であることを確かめた。(V)サブミクロン二次イオン質量分析法(SIMS)による微小粒子の定量分析法の検討をさらに進め、重要な定量因子である相対感度係数を求めた。また、この数値を用いて、数μm程度の微小粒子の単粒子分析が行なえることをフライアッシュ粒子を例に取り上げて示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Haraguchi,;T.Hasegawa,;M.Abdullar.: Pure Appl.Chem.60. 685-696 (1988)
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[Publications] T.Akagi,;H.Haraguchi,;H.Tsubota: Chem. Let.1988. 331-334 (1988)
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[Publications] N.Mataga,;T.Hayashi,;H.Naruse,;Y.Iida: Mass Spectroscopy. 36. 99-105 (1988)
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[Publications] 飯田芳男: 現代化学増刊. 15. 241-256 (1988)
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[Publications] S.Daishima,;Y.Iida.: Trace&Microprobe Tech.(1988)
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[Publications] H.Satoh,;M.Owari,;Y.Hihei.: J.Vac.Scie.& Technol.B6. 915-918 (1988)
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[Publications] 原口紘庶、森田昌敏 編集: "ICP発行分析法" 共立出版, (1988)