微粒子の呼吸器内における挙動と生体作用

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63602030
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 高橋 幹二 京都大学, 原子エネルギー研究所, 教授 (40027123)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松岡 理 放射線医学総合研究所, 科学研究官 (60165777) ; 古谷 圭一 東京理科大学, 理学部, 教授 (80087345) ; 田中 勇武 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (00038035) ; 江見 準 金沢大学, 工学部, 教授 (90025966) ; 魚住 光郎 大阪府立公衆衛生研究所, 部長 (50028495)
• Keywords: エアロゾル粒子 / 生体作用 / 肺動力学 / 粒子組成分析

Research Abstract

エアロゾル粒子の分析と性状測定:石炭フライアツシュの粒径密度分離法を開発し、0.4μmまでの粒径分離が可能となり、また組成の均一な各画分を用いて、体液への溶出元素の同定・定量を行うためのイオン交換法を検討した。レーザー光錯乱パルスと誘導結合型高周波プラズマの発光パルスの対応から、粒子径とその元素組成を同時測定するための装置を開発した。金属フュームの凝集体について画像処理法による形態解析を行い、粒子形状と動力学特性の関連について検討した。
吸入粒子の呼吸器内の挙動と沈着量計算モデル:エアロゾル粒子の壁面への沈着特性、とくに沈着機構別・粒径別特性について実験的に検討した。肺胞をもつ気道内の気流をシミュレートする模型実験を行い、その気流混合特性について検討した。イヌの呼吸器内の粒子沈着量計算モデルを開発し、他の小動物の計算結果とも合わせて、小動物実験結果のヒトへの外挿について検討した。
吸入実験システムの開発と吸入実験:生理的食塩水への溶解度が異なる4種のニッケル化合物粒子を用い、ラットの吸入暴露実験(1〜3ケ月)を行い、その後の各臓器へのニッケルの移行を測定し、化学組成と体内挙動との関連について検討した。食塩核・DOSの単分散粒子発生装置と気中粒子の実時間測定装置からなる吸入実験装置を開発した。二酸化ちっ素と炭素粒子混合物の長期暴露システムによるラットの暴露実験(〜30ケ月)が進行中である。また、活性炭粒子に結合した。二酸化ちっ素の寄與を検討するために硝酸ナトリウムと塩酸粒子の複合暴露実験を行った。小動物の鼻部暴露実験装置がほぼ完成し、放射性粒子を用いた暴露実験によって、全身暴露法と鼻部暴露法による、体表面汚染あるいは肺次着量の差異等について検討した。

Research Products

• [Publications] K.Mukai,et al.: Mikrochimica Acta(Wien). III. 41-56 (1988)
• [Publications] 鹿篭康行 他: X線分析の進歩. 20. (1989)
• [Publications] S.Terada,et al.: Journal of Trace and Microprobe Techniques. 7. 31-45 (1989)
• [Publications] H.Kawaguchi,et al.: Spectrochimica Acta. 43B. 955-962 (1988)
• [Publications] H.Kawaguchi,et al.: Mikrochimica Acta(Wien). III. 143-152 (1988)
• [Publications] H.Kawaguchi,et al.: Analytical Sciences.
• [Publications] T.Niida,et al.: Particle and Particle Systems Characterization. 3. 139-143 (1988)
• [Publications] M.Shimada,et al.: Journal of Colloid and Interface Science. 125. 198-211 (1988)
• [Publications] Y.Kousaka,et al.: Journal of Aerosol Science. 19. 501-509 (1988)
• [Publications] Y.Otani,et al.: Journal of Chemical Engineering Japan.
• [Publications] 高橋幹二: エアロゾル研究. 3. 92-98 (1988)
• [Publications] S.Tohno,et al.: KONA Powder Science and Technology in Japan. 6. 2-14 (1988)
• [Publications] 高橋幹二: 大気汚染学会誌. 23. 349-354 (1988)
• [Publications] 田中勇武: エアロゾル研究. 3. 104-110 (1988)
• [Publications] I.Tanaka,et al.: Biolological Trace Element Research. 16. 19-26 (1988)
• [Publications] A.Ohnishi,et al.: Archieves of Environmental Health. 43. 353-356 (1988)
• [Publications] I.Tanaka,et al.: Biological Trace Elements Research. 17. 237-246 (1988)
• [Publications] 伊藤春海: エアロゾル研究. 3. 117-123 (1988)
• [Publications] 魚住光郎: エアロゾル研究. 3. 111-116 (1988)
• [Publications] 魚住光郎 他: 大阪府立公衆衛生研究所研究報告公害衛生編. 9. 1-9 (1988)
• [Publications] 高橋正紀 他: 大阪府立公衆衛生研究所研究報告公害衛生 編. 9. 11-17 (1988)
• [Publications] 山田裕司 他: Inhalation Toxicology. 1. 1-11 (1988)
• [Publications] 山田裕司 他: Journal of Aerosol Science. 19. 733-739 (1988)
• [Publications] Y.S.Cheng,et al.: Journal of Aerosol Science. 19. 741-751 (1988)
• [Publications] Y.S.Cheng,et al.: 23. 295-302 (1988)