1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63602036
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
志賀 健 愛媛大学, 医学部, 教授 (10028350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 伍良 北海道工業大学, 教授 (20001670)
谷本 能文 金沢大学, 薬学部, 助教授 (10110743)
前田 豊 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90027425)
宮本 博司 徳島大学, 医学部, 教授 (50088514)
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
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Keywords | 磁場 / 電場 / 培養細胞 / 血流 / フィブリン / 酸化還元酵素 / ラジカル対 / 走磁性 |
Research Abstract |
本研究では人工物理環境の内でも特に磁場と電場を対象として取上げているが、本年度は生体系への影響について用量ー反応関係を定量的にしらべることを中心とした。 伊達は超高磁場中の反磁性生体高分子の重合反応、すなわちフィブリン形成反応、について均一磁場強度と重合度ならびに時間経過との対応をしらべ、1テスラ程度の磁場強度でもフィブリン網目の配向に影響が現れることを実験的かつ理論的に示した。東は超高磁場中のフィブリン形成反応研究に参加したほか、脳血流に及ぼす磁場効果をしらべたが、結果は陰性であった。 志賀は脱酸素化した赤血球の管内の流れが強い不均一磁場中で[帯磁率]・[磁場強度]・[磁場勾配]の積に比例して偏倚が生じることを示し、さらにヘマトクリット依存性を解析した。その結果、肺血流における磁場リスクは貧血かつ低血流のときにあり得るとした。 谷本はビタミンB_2モデルの反応についてラジカル対経由の磁場効果が現れることを証明した。飯塚はペルオキシダーゼ反応において1テスラ以下では磁場効果がないことを示した。 宮本は強い不均一磁場中で培養細胞の成長とDNA合成が変化しない事を示したが、次に温度環境と磁場を組合せた実験において高温では1価イオン輸送に磁場による変化が起ることを示した。法村は弱い振動磁場がヒト培養リンパ球に対して無害であることを示した。前田は生物の走磁性に重要なマグネタイトの合成とその磁気物性について解析した。 松本は電場の生体刺激作用の中心となる「体毛への作用」について、電場中で体毛支配の神経に活動電位が誘発されること、またその程度が湿度に大きく依存することを確認した。次に体毛の誘電率を測る方法を考案し、上記の湿度依存性を高湿での誘電率上昇で説明した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Masaharu Okazaki: Physiol.Chem.Phys.Med.NMR. 20. 3-14 (1988)
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[Publications] Masaharu Okazaki: Can.J.Chem.66. 1832-1835 (1988)
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[Publications] Masaharu Okazaki: J.Phys.Chem.92. 1402-1404 (1988)
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[Publications] 伊達宗行: BIOmedica.3. 80-84 (1988)
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[Publications] Akio Yamagishi: Physica B. (1989)
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[Publications] T.Tanaka: J.Biol.Chem.264. 13670-13676 (1988)
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[Publications] Yoshifumi Tanimoto: Bull.Chem.Soc.Jap.61. 3121-3127 (1988)
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[Publications] S.Dohi: J.Radiat.Res.29. 85-85 (1988)
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[Publications] Y.Kinouchi: Bioelectromagnetics. 9. 159-166 (1988)
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[Publications] Koichi Shimizu: IEEE Trans.Biomed.Engineer.35. 296-302 (1988)
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[Publications] M.Kato: Bioelectromagnetics. (1988)
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[Publications] 山下政司: 医用電子と生体工学. 26. 613-614 (1988)