1988 Fiscal Year Annual Research Report
土壌-植物系におけるアンチモン、ビスマスおよびタリウムの分布と挙動
Project/Area Number |
63602504
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
浅見 輝男 茨城大学, 農学部, 教授 (20011877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 正亜 茨城大学, 農学部, 助教授 (40007688)
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Keywords | アンチモン / ビスマス / タリウム / 土壌 / 植物 |
Research Abstract |
土壌中Sb、Biの分布と挙動 Sb製錬工場周辺の三国土壌(大阪府)、Bi製錬工場のあった国富土壌(北海道)とZn製錬工場周辺の安中畑土壌(群馬県)について調査した。三国土壌のSbは平均値で自然界値の約300倍、最大値は約750倍、最小値でも約9倍であった。Biは、最大値でも自然界値の約2.5倍であり、Bi汚染はあっても軽微であると考えられた。また、道路わき粉じんも採取したが、高濃度Sb(1110μg/g)を検出し、平均値も高濃度であった。Bi製錬工場のあった国富土壌でのSbの平均値、最大値、最小値はそれぞれ自然界値の約20倍、約100倍、約2倍であった。Biの平均値、最大値は自然界値のそれぞれ約50倍、360倍であり、最小値は自然界値に近い値であった。このように三国土壌ではSbの汚染が、国富土壌ではBiの汚染に加えてSbの汚染が認められた。 安中土壌の金属の垂直分布を調査した。Sb、Bi、Pbはともに第1、第2層に高濃度集積しており、第3層で減少し、第4、5、6層とも第3層とほぼ同程度で自然界値かそれ以下であった。一方Cd、Znは第3層で減少し、第4層でさらに減少するが自然界値より高く、Sb、Biより汚染が下層へ進行していると考えられる。また調査した6断面における各金属間の相関係数を求めた。いずれの金属間も0.1%レベルで有意であったが、その中でもSb、BiはPbと高い相関を示した。このことからSb、Biは土壌中でPbと類似の分布と挙動をしているものと考えられた。 植物中のSb、Bi含有率 Sb汚染土壌より採取した植物を用いて目下分析法の検討中であり、分解法の確立後、植物中のSb、Biの分布について検討を行う予定である。 土壌中のTlの定量 土壌分解液にクエン酸とアスコルビン酸を添加、溶解後、NaOH溶液を滴下してpH10.5に調節し、分液ロートに移しDDTC溶液を加えMIBKでTlを抽出し、原子吸光法により定量する方法を確立した。
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