1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63602522
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村松 久史 京都大学, 防災研究所, 教授 (40200307)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 治郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (90027300)
枝川 尚資 京都大学, 防災研究所, 助手 (20027270)
田中 正昭 京都大学, 防災研究所, 助手 (60027240)
|
Keywords | メタン発生 / 航空機観測 / 阪神地方 / 温室効果 / 大気オゾン |
Research Abstract |
1.実験法 航空機を用い大阪市とその周辺上空の試料空気を採取し、実験室でのガスクロマトグラフによる分析からメタン濃度を測定する。試料空気の採取は早朝と午後の2回行い、濃度分布の変化から発生量を求める。 2.結果 観測は1988年19月8日と12月13日の各々午前、午後に実施した。得られた結果を要約すると、 (1)メタン濃度の高度分布について:気温の逆転層以下の高度(混合層)のメタンは混合層の上より高濃度である。10月8日の測定では気温の逆転層は高度1.3〜2.0kmにあり、メタン濃度は約1kmの高度で極大を示した。12月13日には気温の逆転層は高度1.4-1.85kmにあり、極大を示したのは大阪市の中心の午後のみであった。 (2)混合層内でのメタン濃度は大阪市の中心に極大がある。 (3)発生量の見積:混合層内のメタン濃度の高度分布は大阪市上空では午前より午後の方が大きい。この観測値を用い地上からのメタンのフラックスを計算する。10月8日の観測からは、0.020g/m^2/4.5hr、12月13日からは0.046g/m^2/4.7hrのメタンのフラックスがえられる。この値を1年間の値に換算すると各々、38g/m^2/yrおよび87g/m^2/yrとなる。これらの値は森林(10-20g/m^2/yr;Sheppard dt al.1982)より大きく、淡水の沼地(78g/m^2/yr;Sheppard dt al.1982)に匹敵する。 3.今後の課題 大阪上空では冬季メタンの濃度が高いことが判ったが、今後は濃度・発生量の季節変化や発生源を明らかにする必要がある。
|
Research Products
(1 results)