1988 Fiscal Year Annual Research Report
オゾン・紫外線照射併用によるトリハロメタン前駆物質の高効率分解プロセスの開発
Project/Area Number |
63602538
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸岡 成治 九州大学, 工学部, 教授 (60011079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池水 喜義 東和大学, 工学部, 助教授 (50108651)
磯村 計明 九州大学, 工学部, 講師 (80037887)
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Keywords | オゾン / 紫外線 / トリハロメタン / 水処理 / 酸化分解 / 上水 / 塩素化 |
Research Abstract |
水道源水中に溶存するフミン酸は、発ガン性物質であるトリハロメタンの前駆物質となるので、塩素処理する前に吸着や酸化等で除去する必要がある。オゾン単独処理ではフミン酸の酸化分解は十分でなく、かえってトリハロメタンの生成量を増加させる場合もある。紫外線を併用すれば難分解物質も除去できる。本研究では紫外線照射下でフミン酸のオゾン分解を行い、TOCの減少速度及び塩素処理した後の全有機塩素生成量を測定し、紫外線の効果を検討した。本年度は以下の成果を得た。 1.フミン酸のO_3単独及びO_3/UV処理では、実験開始直後にTOCは急に減少し、初期TOCの4割が分解消失するまではUVの効果がなかった。 2.フミン酸の分解が進むと、O_3処理に比べてO_3UV処理の方が分解速度が速かった。このとき、UVの放射照度を変えても液中のオゾン濃度が自己分解によって減少するので、みかけ上反応速度は変化しなかった。 3.フミン酸のO_3単独及びO_3UV併用分解において、初期のTOC濃度、液中のO_3濃度、UV放射照度、液温を変えて実験を行った結果から、フミン酸の分解速度の実験式を得た。 4.フミン酸の分解主生成物であったシュウ酸はO_3分解では分解が困難であったが、UVを併用することによって、その濃度は急激に減少した。 5.フミン酸のO_3及びO_3/UV分解液を塩素処理した後のクロロホルム生成量は実験開始時には10ppmであったが、2時間処理後には0.1ppm以下にまで低減し、O_3処理とO_3/UV処理との差はほとんどなかった。一方、全有機塩素量はUVを併用することによって、4時間処理後にはオゾン単独に比べて1/3にまで低減できた。 以上の結果から、トリハロメタン前駆物質であるフミン酸の物質において紫外線照射が有効であることが示された。今後は、内部照射型オゾン分解装置の設計を行い、その最適化を計る。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 諸岡成治: 化学工学論文集. 14. 427-430 (1988)
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[Publications] Shigeharu,Morooka: Ind.Eng.Chem.Res.27. 2372-2377 (1988)
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[Publications] 麻生真次: 環境科学会誌. (1989)