1988 Fiscal Year Annual Research Report
CVDプロセスにかかわる有機金属の動的変換過程と環境への影響評価に関する研究
Project/Area Number |
63602543
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
手塚 還 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50118668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 龍彦 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (30118674)
内山 俊一 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (80129163)
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Keywords | CVD / 有機金属化合物 / テトラメチルスズ / プラズマ / 高周波放電 / 吸着剤 / 大気圧放電 / 分解反応 |
Research Abstract |
CVDプロセスに頻用されている有機金属について、その条件下での動的変換過程を総合的に解明し、そこで生じる物質がプロセス系外に排出もしくは放出されたときに及ぼす環境への影響の体系的評価法を確立することを目的に、本研究では従来不完全であった物質収支を確立することにより反応の全容を解明するとともに、現行の排ガス処理装置の問題点を整理分析しガスの前処理を含めた新しい除害処理システムの開発に着手した。以下、内容を1)低温プラズマ反応、2)吸着剤による有機金属化合物の除去、および3)有機金属化合物の大気圧放電除去に分類し、その概要を述べる。 1)低温プラズマ反応ではテトラメチルスズ(TMSn)をモデルに、生成物の捕捉、分析手法を改良し、生成物の収支を改善し反応の基本的全体像を明らかにした。主な気体生成物はエタンであり。重合膜中からはSnが良好な収率で回収された。一方、低収率ではあるがトリメチルスズのような化学的に高活性な物質が生成した。この事実は実際のCVDプロセスでも原料ガスの他、それよりもさらに反応性の高い化合物が生成排出される可能性があり、排ガスの適切な処理が必要であることを示唆している。 2)現在、有機金属化合物を除去対象にした吸着剤の開発はまだ十分に進んでいない。TMSnをモデルに種々の吸着剤の吸着特性を調べ、有効な吸着剤でも条件が異なると十分な効果が得られない場合があり、反応系を十分考慮して吸着剤を選択する必要があることを明らかにした。また、将来、使用後の吸着剤の廃棄方法が問題となると考えられるが、その点も考慮した吸着除害剤の開発が必要であることを示した。 3)有機金属化合物は大気圧グロー放電により容易に低級炭化水素と金属に分解された。放電電力を制御することにより反応速度を容易に制御でき、反応系中で発生してラインを汚染する金属微粒子を分離除去できれば有効な前処理技術となり得ることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Yajima;M.Tezuka: プラズマ化学合同シンポジウム論文集. 1. 79-84 (1988)
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[Publications] Y.Yoshida;H.Tsuji;K.Kashiwagi;Y.Murayama;T.Yajima;M.Tezuka: プラズマ化学合同シンポジウム論文集. 1. 257-262 (1988)
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[Publications] T.Yajima;M.Tezuka: Chem.Lett.,in press.
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[Publications] M.Tezuka;T.Yajima;A.Tsuchiya: Proc.of the First China-Japan Symp. on Plasma Chem.119-122 (1988)