1988 Fiscal Year Annual Research Report
石炭の水素化熱分解特性と揮発性成分のその場接触改質
Project/Area Number |
63603507
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松永 利昭 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (40006309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布田 潔 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (80181428)
菅原 拓男 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (10006679)
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Keywords | 急速水素化熱分解 / 石炭発揮分の接触改質 / 粘土層間化合物 / 石炭の脱硫 / 形態別硫黄の挙動 |
Research Abstract |
本研究は、石炭の水素化熱分解により付加価値の高い生成物を得るとともに効率のよい脱硫により、燃料のクリーン化を図ることを意図した研究の一環で、本年度は、粒子落下型急速水素化熱分解装置を用いて、ガス、タール等の生成量を求めて生成過程をシュミレートするとともに、形態別に硫黄の移動を調べ、その移行過程を反応工学的に明らかにした。一方、常圧流通型熱天秤装置により、粘土を基体とした各種多孔体を触媒とし、加熱により生ずる発揮性成分をその場改質し、有効生成物を得る条件を検討した。(1)触媒調整と基礎物性の検討 モンモリロナイトを基体とし、これにアルミナまたはチタニアを各種の条件で層間挿入し、細孔状態、表面酸性の異なる各種触媒を得た。(2)発揮性成物の改質反応 主として大同炭につき、H_2気流下で生成する発揮分を直ちに一定温度に保った触媒層に導き水素化分解した結果、アルミナ-PILCと異なり、チタニア-PILCはその調製条件を選ぶことにより強い触媒作用を示し、その程度はHYゼオライトに匹敵ないしこれを上回ることがわかった。(3)粒子落下型熱分解装置による石炭の急速熱分解特性 粘結性及び硫黄の含有量と含有形態の異なる4種の石炭(三池三川炭、米国PSOC-830など)について、5区間に分割温度制御された全長1.5mの反応管内を落下させ、約10^4℃/Sの速度で急速熱分解した。急速昇温により生成する揮発分の量は、工業分析値と比較して10〜40%増加した。さらに、これらについて、揮発分の放出スキームを組み立ててシュミレーションを行い、各素過程の速度定数を決定し、特性を明らかにした。(4)形態別硫黄の挙動 上記4種の石炭につき、急速昇温下での硫黄の挙動を詳細に分析し、既報のスキームによりシュミレートした結果、急速水素化熱分解により有機硫黄を高度に脱硫し得る可能性を示した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] T.Matsunaga et al.: Proc.2nd.Japan-China Symp.on Coal and C_1 Chem.,. 41 (1988)
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[Publications] T.Sugawara et al.: Fuel. 67. 1263 (1988)
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[Publications] 菅原 他: 素材物性学雑誌. 1. 59 (1988)
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[Publications] T.Sugawara et al.: Fuel. (in press).
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[Publications] T.Matsunaga et al.: International Conference on Coal Science(Oct.,1989).
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[Publications] T.Sugawara et al.: International Conference on Coal Science(Oct.,1989).
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[Publications] 松久 他: 日本化学会第57秋季年会. 2C319. (1988)
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[Publications] 菅原 他: 第25回石炭科学会議. 47. (1988)
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[Publications] 西山 他: 日本科学会第57秋季年会. 2C318. (1988)
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[Publications] 菅原 他: 化学工学協会第53年会. M203. (1988)