1988 Fiscal Year Annual Research Report
高効率多結晶-方向凝固シリコンインゴントのキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
63603512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 高照 東京大学, 工学部, 教授 (50011078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 勝久 東京大学, 工学部, 教務員 (80189167)
池田 実 東京大学, 工学部, 助手 (50167243)
鈴木 俊夫 東京大学, 工学部, 助教授 (70115111)
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Keywords | 太陽電池 / 一方向凝固 / 多結晶シリコン / 粒界 / ライフタイム / 光電変換効率 |
Research Abstract |
一般商用電池としての太陽電池は、高効率、安価、大量生産可能が必須の条件となる。一方向凝固法により作製された多結晶シリコンは、(1)作製技法が比較的容易でコストが安く大量生産が可能、(2)精錬効果があり柱状晶が得られるため効率が高い、(3)低品位Siからでも製作可能、という長所を有し、一般商業電力用太陽電池の材料として非常に有望である。本研究では効率に密接に関係する因子として結晶中固溶酸素、炭素とその析出や結晶欠陥などの挙動を考え、それらの挙動の解明のため比抵抗、固溶酸素、炭素濃度、ライフタイムの測定を行い、SOG、Siによる一方向凝固多結晶型インゴットのキャラクタリーゼーションと、効率劣化の原因の解明を目的とした。特にインゴットが受ける熱履歴が効率に与える影響を粒界と関係づけて検討を加えた。酸素を多量に固溶している単・多結晶ウエハーを600〜1200℃で熱処理するとライフタイムは、前者は減少し、後者は増加した。多結晶インゴットにおいては、粒内のライフタイムは単結晶と同様減少したが、粒界をはさむ局部ライフタイムは著しく増加した。このような一方向凝固インゴットの粒界はdenuded zoneの生成により純化されていると思われ、このような粒界構造を積極的に利用する太陽電池用セルが示唆された。尚、光電変換効率は両結晶とも熱処理により劣化し、ライフタイム測定のみで効率の指標とすることは多結晶インゴットにおいては問題であり、この原因は前述の粒内、粒界の析出状態の相違による。さらに、真空吸引鋳造による薄板ウエハーを作成した。また、輻射を考慮した相変態を含む熱伝導プログラムを作成し、吸引鋳造、一方向凝固インゴットの最適製造条件の探索に便利ならしめた。
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Research Products
(1 results)