1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63603523
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上田 一正 金沢大学, 工学部, 助教授 (40019758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道上 義正 金沢大学, 工学部, 助手 (90190678)
山本 善一 金沢大学, 工学部, 教授 (50019709)
橋本 忠 北陸大学, 薬学部, 教授 (70046259)
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Keywords | 海水ウラン / 吸着剤 / ペプチド樹脂 / 識別機能 |
Research Abstract |
本研究では、海水ウランに対し高吸着能を示すアミノ酸樹脂を、更に高機能なペプチド樹脂に発展させるため、低次のペプチドを担持した樹脂の開発とウラン捕捉性能に関する基礎的な検討を行った。 先ず、クロロメチルポリスチレン樹脂を基体としてアミノ酸樹脂を合成し、これを出発物資に、順次アミノ酸鎖長を延長したペプチド樹脂を合成した。また、アミノメチル樹脂を基体として、枝分れしたペプチドを導入したポリペプチド樹脂を開発した。樹脂1g当りのウラン平衡吸着量は20〜75mg程度であったが、炭酸溶液中では著しく増大し、Arg(200mg)、Lys(110mg)となったが、この傾向は天然海水を用いても殆ど変わらなかった。ペプチド樹脂はかなり速いウラン吸着速度を有するが、末端アミノ酸のα-アミノ基と側鎖カルボキシル基が捕捉に関与することを確認した。吸着ウランは、鉱酸を用い容易に溶解し得たが、樹脂は優れた再使用性、耐酸性を保持することが明確になった。基礎実験と併行して、簡便な海水ウラン採取装置を試作し、能登臨海実験所に於て本樹脂の実用的な評価を行った。200lの海水を処理して得られたウラン採取量は、Arg(78ug/g-樹脂)、1le(175ug)などであった。温度、処理速度を制御することにより、更に採取量が増すものと思われる。また、樹脂は海水中の主要マトリックス元素であるCa、Maを殆ど吸着しないことが判明した。ウラン吸着機構については、プロトン付加したアミン基が海水中でアンテナとなり、イオンサイズの大きな炭酸ウラニル種とイオン的相互作用を及ぼし、これが駆動力となり、側鎖官能基、ペプチド結合がウランの捕捉に有効に働くことが明らかになった。 ペプチド樹脂は両性イオン交換体であり、海水マトリックス成分とウラニル種との置換反応も容易である。更に安価且つ高性能なペプチド支持体を開発すれば、海水ウランの実用的採取に到達し得るものと考える。
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Research Products
(1 results)