1988 Fiscal Year Annual Research Report
正方晶ジルコニア固体電解質を用いた高温燃料電池に関する研究
Project/Area Number |
63603527
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 了次 三重大学, 工学部, 助手 (90135426)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
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Keywords | 固体電解質燃料電池 / 正方晶安定化ジルコニア / 立方晶安定化ジルコニア |
Research Abstract |
高温固体電解質型燃料電池の電解質としてはもっぱら立方晶型安定化ジルコニアが用いられてきたが、立方晶型は機械的強度に問題があり大面積の薄膜の作成が困難という欠陥がある。近年固体電解質燃料電池として従来のチューブラー型とは異なる平板型がその構造が簡単である点に注目され内外で関心がもたれている。本研究では平板型燃料電池をめざし、その電解質の開発を目的としとくに機械的強度の優れた正方晶型安定化ジルコニアの導電性について検討した。すでに申請者によってZrO_2-M_2O_3(M=Y,Yb Sc)系正方晶ジルコニアが1000℃で6×10^<-2>〜10^<+1> S/cmと正方晶に匹敵する高い導電率を示すことをみいだしたが、本研究ではその安定性とくに1000℃における導電率の変動および室温と1000℃の間で熱サイクルを行ったさいの導電率の変化については検討した。1000℃においては3モル%Y_2O_3-Zr-O_2および3モル%SC_2O_3-ZrO_2系は約2000時間後においても導電率の顕著な低下は認められなかったが、3モル%Yb_2O_3-Zr-O_2系では経時的な導電率の低下が認められた。なお、いずれの系においても1000℃で2000時間以上保っても単斜晶Zro_2は認められなかったが。室温から1000℃の熱サイクルにおいてはサイクル数の増加に従い導電率の低下が認められた。この低下は高抵抗相である単斜晶が粒界に析出したためと考えられた。さらにより機械的強度が優れている3モル%Y_2O_3-ZrO_2系にAl_2O_2を添加したものについての導電性についても検討した結果、AL_2O_3を20重量%添加しても導電率の顕著な低下は認められなく有望な電解質であると考えられた。さらに電解質としての正方晶型安定化ジルコニアと電極としてのLaMnO_3との反応性についても検討した結果、La/Mn比が1.0では1000℃でも反応が認められたが、1.0以下では反応しないことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] O.Yamamoto: J.Mat.Sci.,.
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[Publications] O.Yamamoto: J.Mat.Sci.Letters.,.