1988 Fiscal Year Annual Research Report
キャリア閉じ込め効果を用いた新構造高効率太陽電池の最適化
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63603528
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 昌広 京都大学, 工学部, 助手 (20210776)
冬木 隆 京都大学, 工学部, 講師 (10165459)
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Keywords | 太陽電池 / キャリア閉じ込め効果 / 電位障壁 / 表面再結合 / 窒化シリコン |
Research Abstract |
キャリア閉じ込め効果を用いた新構造太陽電池の性能について理論的検討を行い、キャリア並びに光の閉じ込め構造の最適値を求め、深い電位井戸を設計・製作して、キャリア閉じ込め効果を確認した。 [性能についての理論的考察]新構造太陽電池においては、(1)同程度の抵抗率の基板を用いた場合、従来型n^+p接合太陽電池より大きい短絡光電流密度から得られる:(2)裏面に付けるpn接合部面積を小さくして、暗時逆方向飽和電流密度を、従来型n^+p接合太陽電池の約1/20の4×10^<-14>A/cm^2にまで低減でき、開放電圧の上昇が期待できる:(3)この結果、キャリアの拡散長に対する基板の厚さの最適化により、光電変換効率が24%に達する。 [キャリア閉じ込め効果の確認](1)広禁制帯幅半導体としてa-SiN膜を用いて表面電位障壁を形成し、シリコン基板との界面特性を測定した。最小界面密度が1.1×10^<11>cm^<-2>eV^<-1>と良い界面特性が得られた。Si表面付近におけるキャリアの再結合が避けられると期待できる。(2)微小スポット光を用いて、キャリアの実効的な拡散長を測定した。a-SiN膜をシリコン基板上に堆積することにより、実効拡散長の向上がみられ、表面再結合速度が減少するので、電位障壁形成の効果があることを確認した。 [新構造太陽電池の試作]現在、「Si基板の薄膜化」、「不純物拡散」、「フォトリソグラフィを用いた電極形成」のプロセスを用いて太陽電池を試作している。内部量子効率のスペクトル変化を測定して、理論計算結果と比較検討することにより、表面再結合速度を10^2cm/secまで低減できることを確認した。 今後、この新構造太陽電池の製作プロセスを改善することにより、高効率太陽電池の実現が期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takashi,FUYUKI: Memoirs of the Facuoty of Engineering Kyoto University. 50. 249-261 (1988)
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[Publications] Takashi,FUYUKI: Journal of Applied Physics. 64. 2380-2383 (1988)