1988 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスシリコン/結晶糸薄膜半導体タンデム太陽電池の基礎研究
Project/Area Number |
63603534
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜川 圭弘 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10029407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 秀行 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (30112022)
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Keywords | アモルファスシリコン / 太陽電池 / タンデム型太陽電池 / グラフォエピタキシー / 共晶 / 最適設計 |
Research Abstract |
アモルファスシリコン(a-Si)を上部セル、結晶系シリコンを下部セルとするタンデム太陽電池を設計、試作、およびグラフォエピタキシーによるGe薄膜成長実験を行い以下の成果を得た。 1.タンデム型太陽電池について独自の設計プログラムを開発し、理論効率並びに最適構造を検討するとともに、これまでの設計法の相異について議論した。その結果、最適禁止帯幅は、上部セルが1,7ev〜1.8ev、下部セルが1.2〜1.3evにあり、本研究でとり上げたa-Siとc-Siが理想的な組み合わせであることがわかった。次に下部セルの最適薄膜を求めるために行った計算の結果、上部a-Siセル厚さ0.5μmで約20μmを得、このときの理論変換率は、24.2%であった。 2.理論効率を実現するための技術課題を明らかにするために、本年度は単結晶Sip-n接合を下部セルとしてタンデムセルを試作した。その結果、15.04%の変換効率(2端子タンデムセルで世界最高)を得ることができた。理論出力特性と比較したところ、さらに高効率化を行うためには、光電流を増加させる必要がありITO成長の低温化、光閉じ込め効果の利用、正孔拡散長の増加が今後の課題であることが分った。 3.このような結晶性薄膜を作製する手法の開発をめざして、グラフォエピタキシー成長に関する基礎実験も合わせて行った。とくに、シリコン単結晶薄膜製造法の確立への可能性を探るため、Siと同族で結晶系が等しくより低温で成長が可能なGeをとり上げた。今回特にわれわれが独自に開発したピラミッド型基板を成長物質とのぬれ性を、各種金属を用いて制御することにより、成長結晶の配向性が大きく変化することがわかった。また、Geと共晶を作るAuおよびAlを合わせて堆積することにより、共結晶温度付近の温度でレーザ再結晶化することにより配向性が強まることを見い出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高倉秀行、宮木和徳、浜川圭弘: 第49回応用物理学会予稿集. II. 674-674 (1988)
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[Publications] T.Kanata・H.Takakura・H.Mizuhara・Y.Hamakawa: Journal of Applied Physics. 64. 3492-3496 (1989)
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[Publications] H.Takakura・K.MIyagi・T.Kanata: Proc.4th International Photovoltaic Science and Engineering Conference(Sydney.1989.Feb.). (1989)